LINEは2017年10月5日、スマートスピーカー「Clova WAVE」の正式販売を開始した。7月から先行体験版として一部の顧客向けに販売していたが、正式販売後は誰でも購入可能になる。先行体験版では、ストリーミング音楽配信サービス「LINE MUSIC」を利用できる程度にとどまっていたが、正式販売に併せて機能を大幅に拡充した。販売価格は1万4000円だが、月額利用のLINE MUSIC12カ月分とセットで1万2800円のお得なセット商品も期間限定で販売する。

 Clova WAVEは、LINEが独自開発したAI(人工知能)による音声アシスタント「Clova」を搭載したスマートスピーカーだ。スピーカーに話しかけることで音楽を再生したり、LINEを通じて友人知人とコミュニケーションをしたりできる。

 「タッチ操作やタイピングなどでデバイスを操作するGUI(グラフィカルユーザインタフェース)の時代から、声でデバイスを操作するVUI(ボイスユーザーインターフェース)へと移り変わろうとしている」とLINE取締役CSMO(最高戦略責任者兼最高マーケティング責任者)の舛田淳氏は将来を見通す。

「Clova WAVE」の発表会に登壇したLINE取締役CSMO(最高戦略責任者兼最高マーケティング責任者)の舛田淳氏
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 そうした時代の変化に対応すべく、具現化した最初の製品がClova WAVEだ。同社は先行体験版の利用者から、実際の利用データや意見を収集。正式販売に併せて、課題点を解消する「LINE」と連携した新機能を開発した。それが「LINE家族アカウント」だ。

プライバシーに配慮した新機能

 Clova WAVEは話しかけるだけで、LINEにメッセージを送信できる機能を持つ。また、受信したメッセージはClova WAVEが読み上げてくれるため、スマートスピーカーに話しかけるだけで、LINEを通じたコミュニケーションができる。しかし、先行体験版の提供開始後に「家族で利用するリビングにスピーカーを置いた場合に、個人のアカウントに届いたメッセージを読み上げられることに抵抗を覚える人が多いことが分かった」(舛田氏)。

 LINE家族アカウントはそうした課題を解消するために、LINE上にClova WAVE専用の共有アカウントを設置できる機能として開発した。例えば、共有アカウントに家族を参加させることで、Clova WAVEに話しかけて送ったメッセージは、すべてこの共有アカウントを通じて参加者のLINEに届くようになる。逆にLINE上の共有アカウントに送ったメッセージだけをClova WAVEは読み上げる。これにより、個人のアカウントと連携しなくても、Clova WAVEを通じた家族間のコミュニケーションを可能にした。

 舛田氏はこのLINE家族アカウントを「正式版において最も重要な機能だ」と位置付ける。大手ネット事業者が相次いで販売を発表するなど、群雄割拠のスマートスピーカー市場において、LINEとの連携機能は競合製品にはない特徴の1つだ。この利点を使いやすくするために、プライバシーに配慮した機能を新たに開発した。