注目のテザリング機能は?

 メイン機能であるテザリングは、NichePhone-Sをアクセスポイントとして、ノートPCやタブレット端末、携帯ゲーム機などでインターネット接続を可能にする機能だ。NichePhone-Sでは専用ボタンを備えており、簡単にオン/オフを切り替えられる。この点が最大の魅力で、シンプルだからこその使い勝手の良さといえる。

 筆者は通常、手持ちのタブレット端末でインターネットをする場合はAndroidスマホのテザリングを利用している。ただし、その際は一度スマホの画面を表示させ、クイック設定パネルのテザリングボタンをタップして機能をオンにする必要がある。これに比べると、NichePhone-Sは物理ボタンで素早く操作できるのでとにかく簡単でスムーズ。とても使いやすいと感じた。

 なお、テザリング用のネットワークSSIDやパスワードは変更可能。あとはその設定に応じて、利用したいノートPCやタブレット端末、ゲーム機などでWi-Fi接続を設定すればOKだ。これらの設定は既存のスマホと同じなので、すでにテザリングを利用している人であれば問題なく使いこなせるだろう。

一番右側の中央が「テザリング」ボタン(赤枠)。実際に機能をオンにする場合はまずこのボタンを押し、さらに右上の「OK」ボタンを押せば完了する。必要なタイミングで素早くインターネットが使えるのは便利だ
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音楽再生や録音にも対応

 機能を絞ったシンプルさがNichePhone-Sの魅力だが、とはいえ電話やテザリング以外の機能が全くないわけではない。その他の機能として「音楽再生」と「録音」、そして一般的な目覚ましの「アラーム」を備えている。

 音楽再生は、いわゆる音楽プレーヤーとして利用できる機能。SDカードスロットは装備せず、本体の保存領域も約100MBしかないため、高音質な音楽データを多量に保存しておくことは難しいが、ランニングや通勤中などのBGM的な使い方として割り切れば十分活用できる。

 なお、NichePhone-Sはイヤホンジャックは搭載していないが、Bluetooth機能は内蔵しているので、Bluetooth対応のワイヤレスヘッドホンやスピーカーで楽しめる。

 録音は、ボイスメモやミーティングの記録などで利用できる便利機能だ。ただし、音質の選択などをできず、データの保存領域も100MBしかないので、その点を踏まえるとオマケ的な要素は強い。いざというときの最終手段や、ちょっとしたメモ用の録音として活用するとよいだろう。

音楽再生の対応ファイル形式はMP3/WAV/AMR/MIDI。Bluetooth機器がなくても、本体下部のスピーカーで音楽を聞くことはできる。SDカードスロットがないため、音楽データはUSB経由でパソコンから本体に保存することになる
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フューチャーモデルのBluetoothイヤホン「KOU」とNichePhone-Sのセットモデル。2017年10月31日までクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING by T-SITE」で購入できる。価格は1万4800円
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録音データは3gppファイルで保存される。1分で約1MBとなるため、録音できる時間は、保存領域をフルに使っても約1時間半となる
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駆動時間はどのぐらい?

 最後に、バッテリー容量は550mAhで連続通話時間は約3時間、待機時間は約72時間となる。通常のスマホと比較して、バッテリーが最長で3日持つのはありがたいところだ。また、テザリングでの利用時間は公表されていないが、機能をオンにした待機状態では7時間半ほどバッテリーが持った。

 バッテリーの充電には専用コネクタが必要となる。汎用的なマイクロUSBケーブルをそのまま利用できない点は手間といえるが、マグネット式の専用コネクタは本体背面の電源端子へ簡単に着脱できるのがメリット。日常的な充電はUSB端子よりもはるかにスムーズで手間なくできるので、利便性を重視すればこれもありだと感じた。

専用コネクタは普通のマイクロUSBケーブルに接続して利用する。マグネット式なので吸い付くように端子に取り付けられる。また、磁力を利用して逆向きには装着できないようになっている点にも工夫が感じられる
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コスパが優れているので、2台目ニーズにおすすめ

 ここまで見てきてお分かりの通り、NichePhone-Sは機能を大幅に絞っていることもあり、利用にあたっては別のスマホやタブレット端末を持っていることがほぼ前提となる。そのため、2台持ちユーザーがサブとして利用するのが基本となるだろう。

 端末としては、特定の機能に特化しているからこそコンパクトかつ軽量で持ち運びやすく、シンプルな操作で使えるのがメリットといえる。通話とテザリング以外の機能はどれもオマケ程度なので全ての人が利便性を感じるわけではないが、1万円で購入できるコスパの良さも含めれば、ニーズにうまくハマった人にとっては最適な1台となるだろう。

(文/近藤 寿成=スプール)