年に1度のイベントだからこそファン以外も巻き込んで

 もちろん最新のゲームタイトルが試遊できることはゲームショウならではの大きな魅力で、それは今年も健在だった。また、今年はVRが昨年よりさらに多様化し、アミューズメント施設に置くような大がかりなゲームも並んだことで、「VR/ARコーナー」が盛況だったし、eスポーツのエキシビションマッチも観客を沸かせていた。ゲームタイトルにちなんだ各社のステージイベントも、例年通り、多くの来場者を夢中にさせていた。

 そうした本筋はしっかり踏まえていたことを十分理解しているが、それでもゲームを全く知らない人が付き添いで来たとしても楽しめるようなコーナーが今年のゲームショウにほとんど見られなかったことは、残念に感じている。

 今年の目玉だった超人気ゲームタイトルの中には、試遊のための整理券があっという間にはけてしまったものもあったと聞いている。それは、遠路はるばる幕張の会場まで来たものの、目当てのゲームで遊べなかった人が、それだけ多かった、ということだ。そんな失意を味わった人は、代替となる満足をあの会場で見つけることができたのだろうかと、つい心配になってしまう。

 前述の「進撃の自分」や「ポッピングフラッシュ」のコーナーは、年齢や性別を越え、ゲームに対する好みの壁を超え、場合によってはそのゲームを直接知らない人であっても、楽しめるものになっていた。実際に体験した人には、今でも「ああ、あったね、そんなの!」とすぐに思い出してもらえるくらいのインパクトを残したとも思う。今年のホール3にあったロマンスゲームコーナーは、対象となる人をかなり選ぶものではあるけれど、それでも体験した人は、忘れがたい思い出が作れたはずだ(関連記事:ボルテージはリアルとVRでイケメンウエディング【TGS2017】コスメ&イケメン体験ができる『スタンドマイヒーローズ』【TGS2017】)。

ロマンスゲームコーナーは東京ゲームショウ2017でも大健闘。プロのメークアップアーティストにメークをしてもらえたcolyブース
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「VR挙式」を挙げられたボルテージブース。リアルとバーチャルの両方でウエディングがあげられた。ちなみに通りがかりに見ただけでも、「VR挙式」を挙げた男性が2人ほど。思った以上に幅広い層の来場者を楽しませていたようだ
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 欲張りすぎなのかもしれないが、せっかく年に1度のイベントなのだから、ゲームショウは「新作ゲームに出合える場所」というだけではなく、会場を訪れたことで満足感がきちんと得られ、思い出に残るような、そんなイベントであってほしい。今年のゲームショウに出展した多くのメーカーは、来場者をどれだけ楽しませるか、自社のファンではない来場者をどれだけブースに取り込むか、そんな意欲が少しだけ欠けていたように思うのだ。

 各出展メーカー様。

 来年はゲームを知らない人でも楽しめるような来場者参加型のユニークなコーナーをぜひとも用意していただけないでしょうか? 会場を訪れた大人も子どもも帰り道で「あのブースのあのコーナー、面白かったね!」と、御社の名前を直接話題にするような、そんなすてきなコーナーと出合えることを期待しています。

(文/稲垣宗彦)