現在のVRは、周囲360度を見渡せるスマホVRや、3×4m程度までなら歩き回れるPC向けのViveやOculus Riftなどが主流だ。だが、これらの設備だとVR空間を自由に歩き回ったり、複数人で楽しむことが難しい。そこで注目なのが、10m×10mなどかなり広い空間をまるごとVR対応にする光学トラッキングを活用したVRコンテンツだ。
中国深センに拠点を持つベンチャー企業のレアリズ社は、モーショントラッキングカメラの「カメラセンサーシステムRTS」を活用したインタラクティブVRコンテンツを出展。ブース内に複数人がVRゴーグルを着けた状態で入り、VR空間で複数人による対戦ゲームや脱出ゲームなどを楽しめる。
複数のモーショントラッキングカメラで運用するシステムで、200平方メートルの空間で10人同時のゲームも実現できるという。
レアリズCEOの許秋子氏によると、現在はゲームアトラクションの開発に注力しているが、今後全身モーショントラッキングも利用できるようにするとのこと、また、同じ深センのスマホ・通信機器メーカーのファーウェイとの展開も進めているという。また、日本では株式会社キッズプレートが提携し、デジタルハリウッド大学大学院とのコンテンツ開発や開発者の育成なども実施するとのことだ。
米Noitom社のブースでは、NASA協力による月面探索を楽しめる「ALICE SPACE」を出展している。ゲームショウではスペースの問題から縮小して展開しているが、本来は最大6人で7×10mの空間を自由に移動できるとのことだ。
提供施設は科学館などを想定しており、プラネタリウムのように月面ミッションや火星探索、自然探索などの新しいコンテンツを定期的に提供していくという。
(文・写真/島徹)