2017年9月23日(土)、展示ホール11・特設会場「e-Sports X(クロス)」ブルーステージにて、「『コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア』SCARZ vs Rush CLAN TGS2017頂上決戦」が行われた。

 インターネット上の競技「eスポーツ」エキシビションマッチ。eスポーツを牽引するゲーム「Call of Duty(CoD)」シリーズ最新作『Call of Duty: Infinite Warfare(COD:IW)』を使い、プロチームの「SCARZ(スカーズ)」とCoDの有名クラン(チーム)「Rush CLAN(ラッシュクラン)」という日本を代表する強豪2チームが対戦した。

展示ホール11・特設会場「e-Sports X(クロス)」ブルーステージは、試合開始数十分前からこの賑わい
展示ホール11・特設会場「e-Sports X(クロス)」ブルーステージは、試合開始数十分前からこの賑わい

 オリンピック競技の候補になるなど、日本でもその注目度が急上昇中だが、実際にeスポーツを観戦したことがある人は少ないだろう。筆者もその一人だが、「今日のエキシビションマッチでは、解説があるから初心者でも観やすいらしいよ」とそそのかされて初観戦することに。試合前に会場入りしたが、すでに何重にも立ち見が出るほど賑わっていて、eスポーツの注目度が伝わってきた。

 まずは、CoDをプレーしたことがない筆者に向けて(?)司会者がゲームについて説明。対戦はルールの異なる3試合が繰り広げられたが、シーンが変わる度に、選手が選択する道具のポイントや、対戦ルールについて、さらに対戦中にはそれぞれのチームの戦法を解説してくれた。

SCARZとRush CLANは、少し前に開催された大会で決勝を戦っていて、その際はRush CLANが優勝している
SCARZとRush CLANは、少し前に開催された大会で決勝を戦っていて、その際はRush CLANが優勝している
試合が始まると、会場の空気が一気に引き締まり、熱気を帯びる
試合が始まると、会場の空気が一気に引き締まり、熱気を帯びる

 選手は両チーム4名ずつ、計8名。解説を受け、だいぶ理解したつもりではいたものの、試合が始まると、状況理解が選手のプレースピードの速さに着いていかず、しばらくはポカーンとしていた。しかし試合を重ねるにつれ目が慣れていき、ファインプレーが出ると「おぉー」と声が自然に出てきた。同様に会場からも徐々に歓声が聞こえるように。よかった! 皆も私と同じように選手のプレーのすごさについていけていなかったんだなと安心した。

 途中、Rush CLANが生存者1名という状況から、生存者4名のSCARZから大逆転で勝利した際には、会場から「うぉおー!」と地響きのような歓声が上がり、盛り上がりは最高潮に。

 試合中は、会場正面のゲーム画面が映し出される大きなモニターに釘付けとなるが、ふと選手たちに目をやると、全身を使い、ずっとチーム内で声を掛け合ってプレーしている。その迫力に、あぁこれはゲーム機を使ったスポーツだと実感。Rush CLANがエキシビションマッチを制した瞬間も、スポーツの試合同様の盛大な拍手がおくられた。

エキシビションマッチを制したRush CLAN。選手がヘッドフォンを外す様子は、装備を脱ぐ戦士のよう
エキシビションマッチを制したRush CLAN。選手がヘッドフォンを外す様子は、装備を脱ぐ戦士のよう
試合後にRush CLANのリーダーが「チームメイトながら気持ち悪い(笑)」と、1人で4人一気に仕留めた選手をほめたたえた
試合後にRush CLANのリーダーが「チームメイトながら気持ち悪い(笑)」と、1人で4人一気に仕留めた選手をほめたたえた

 試合後には、両チームのリーダーを囲んでのリプレー解説が行われた。どんな作戦だったのかや、前の試合を受けてどう修正したのかなど、トップ選手ならではの思考に観客は最後まで聞き入っていた。eスポーツ観戦をする機会はまだ少ないが、TGSに来たついでなら、気軽に観戦しやすい。

リプレー解説内でSCARZのリーダーは、大逆転された際について「メンタル面がやられました」と振り返った
リプレー解説内でSCARZのリーダーは、大逆転された際について「メンタル面がやられました」と振り返った

 24日(日)は、
・11時~13時「OMEN by HP presents OVERWATCH ドリームマッチ TGS 2017」
・14時~17時「『ストリートファイターV』 昇龍拳(SHORYUKEN)トーナメント」
・14時半~16時「『カウンターストライクオンライン2』エキシビションマッチ」
の3試合が開催され、すべて実況が入る。「『ストリートファイターV』 昇龍拳(SHORYUKEN)トーナメント」は、賞金を懸けた本気の戦いだ。観覧は事前申し込み不要で、直接会場に向かえばよい。今後さらに盛り上がるeスポーツ熱を、いち早く体感しよう。

(文/大川晶子、写真/加藤 康)

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