今年のTGSは、昨年のゴーグル型のVRデバイスだけという展示が少なくなるいっぽう、コンテンツに合わせて椅子などが動く、体感型のロケーションVR施設の出展が大幅に増えた。
本格的なVRを自宅で楽しむにはハイエンドPCや高額なVR機器が必要と間口が狭い。だが、ゲームセンターや大型店舗に置くロケーションVR筐体なら、知識がなくても気軽にVR体験が可能なうえに、椅子などが動くといったより刺激的な仕掛けも入れられる。遊園地の設備ほど大がかりなくとも、省スペースで似た体験を提供できる。
なかでも元気なのが、中国などアジア圏のメーカーだ。中国や韓国、台湾ではアミューズメント施設への納入を核としたロケーションVR事業が立ち上がっているほか、ドバイなど中東圏への納入実績を持つメーカーもある。TGSは自社のロケーションVRが日本のユーザーに受け入れられるかのチェックや商談の絶好の機会というわけだ。
日本市場への展開についてより具体的な展開を発信しているのが、北京乐客灵境科技有限公司(Beijing Leke VR Technology)の企画開発した製品を日本で独占展開するJPPVRだ。同社のロケーションVRは中国韓国あわせて3000店舗以上の納入実績があるという。
同社は数種類のロケーションVR筐体を取り扱っており、今回はバイク型などを出展。新規の対応コンテンツの開発も可能で、制作したコンテンツはクラウドネットワークを通じて他国の筐体にも展開できるという。2018年には「VR×eSportsアジア大会」を実施するとのことだ。
このほか韓国Sangwhaの『GYRO VR』や、元HTCのJack Tong氏が率いる台湾JPW International、中国のTQ INTERACTIVEなどが比較的大がかりな体感型のロケーションVRの体験展示を実施している。
(文・写真/島徹)