東京ゲームショウ2017開催初日の9月21日、会場で発表された日本ゲーム大賞2017。見事、大賞の栄冠に輝いたのは、Nintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』だった。授与式には、開発チームを代表して、同作プロデューサー青沼英二氏と、ディレクターの藤林秀麿氏が登壇。授賞式を終えて、興奮冷めやらぬ両氏に話を聞いた。

授賞式直後にお話をうかがいました
授賞式直後にお話をうかがいました

――授賞式でもおっしゃっていましたが、「ゼルダの伝説」シリーズとしては、1998年の第3回日本ゲーム大賞での『ゼルダの伝説 時のオカリナ』以来、約20年ぶりの大賞受賞、おめでとうございます。『ゼルダの伝説』シリーズにとってのこの20年という時間について、思いをお聞かせいただけますか?

青沼氏: 『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のときは一開発スタッフとしてゲームを作っていて、ゲーム大賞がどんなものかもよく分からずにいました。それから約20年、『ゼルダの伝説』シリーズに関わってきました。その間、優秀賞を4作品でいただきつつも、その年を代表するような作品にはなかなかなれなかったわけで、別にゲーム大賞を狙ってゲームを作っているわけではないのですが、『時のオカリナ』を超えられない悔しさを感じていました。

 ただ、今回はシリーズ物であることにとらわれず、シリーズの当たり前を見直し、「皆さんに本当に楽しんでいただけるゲームとはどういうものか?」をみんなで議論しながら一から作り上げたんです。そうして作った『ゼルダ』がこうして『時のオカリナ』以来の大賞をいただけたのは、本当に感慨深いと感じています。

藤林氏:この20年間で、僕は途中から『ゼルダの伝説』シリーズに関わることになったのですが、ここに到るまでにいろいろな方にお世話になりました。今回大賞をいただけるような『ゼルダ』が作れたということで、お世話になった方たちに少しはご恩返しができたのかな?と思います。それと、ずっと一緒に『ゼルダ』に携わってきたたくさんの仲間たちによい報告ができ、共に喜べるのは、本当にうれしいことだと思っています。

プロデューサーの青沼英二氏(右)とディレクターの藤林秀麿氏(左)
プロデューサーの青沼英二氏(右)とディレクターの藤林秀麿氏(左)

――受賞を知ったユーザーの方に一言いただけますか?

藤林氏:今作を多くの方に楽しんでいただけて、うれしかったです。本当にありがとうございました。今後のシリーズ作がどんなものになるかは分かりませんが、どうか引き続き、「ゼルダの伝説」を応援していただけたらと思います。

青沼氏:応援してくださったみなさんに、心から感謝申し上げます。冬にリリースされる追加コンテンツの第2弾を今まさに開発中で、今朝も最新バージョンを触ってきたところなんです。いい手応えを感じていますので、この冬の追加コンテンツにもぜひご期待いただきたいと思います。

 追加コンテンツの開発がまさに佳境ということで、両氏は授賞式後のパーティーもキャンセルし、京都での開発作業に戻ったという。新幹線の時間が迫る中での慌ただしいインタビューだったが、貴重な話を聞くことができた。

 青沼氏、藤林氏両氏をはじめ、任天堂スタッフの方々のご協力にこの場を借りて感謝したい。どうもありがとうございました。

(文/稲垣宗彦、写真/中村 宏)

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