東京ゲームショウ初日の9月21日、KLabは「KLabGames」ブランドで展開するモバイルオンラインゲームの最新情報発表イベントを実施。同社が今後配信を予定しているスマートフォンゲーム6タイトルを発表した。

 専務取締役CGOである森田英克氏によると、今回の発表は3月に同社が打ち出した「3 PILLARS」戦略に基づくものだという。3 PILLARSとは、「Japanese IPs」(日本のIP。IPは知的財産の略)、「Global Growth」(海外展開)、そして「Original Creations」(オリジナルIP)の3つの軸に注力するものだそうだ。

KLabは日本のIP、海外展開、オリジナルIPの3つに力を入れる戦略をとっているとのこと
KLabは日本のIP、海外展開、オリジナルIPの3つに力を入れる戦略をとっているとのこと

「魔女」と書いて「アイドル」と読む

 そこで今回の最新情報イベントでは、それら3つの軸それぞれに関して新作の発表がなされた。最初に紹介されたのは「Original Creations」に関するもので、今回のゲームショウに合わせた新タイトルとして、KLabとKADOKAWAが業務提携し、共同プロジェクトとして展開する『Project PARALLEL(仮)』が発表されている。

新たに発表された『Project PARALLEL(仮)』。KADOKAWAとの協業タイトルで、魔法とアイドルをテーマにしたゲームとなるようだ
新たに発表された『Project PARALLEL(仮)』。KADOKAWAとの協業タイトルで、魔法とアイドルをテーマにしたゲームとなるようだ

 これは「魔女」と書いて「アイドル」と読むなど、「魔法」と「アイドル」をテーマにしたゲームになるそうで、ゲーム以外にもさまざまなメディアミックス展開がなされるとのこと。JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントが参加するなど、豪華な布陣で展開されるというが、今回の発表では具体的なゲーム内容は明らかにされておらず、キャラクターのビジュアルも「ティアラ」が公開されたのみ。来年の3月により詳しい続報があるとのことで、そちらの動向が注目される。

“光”の脅威から人類を守る「機動兵団」

 そしてもう1つのオリジナルタイトルは『禍つヴァールハイト』。こちらは3月に「Project FORCE」として公表されたもので、“光”の脅威から人類を守るため、「機動兵団」に所属し仲間と協力して戦う、重厚な世界観が舞台のオンラインRPGになるようだ。所属できる6つの部隊には、それぞれ上司となる個性的な部隊長がおり、自分に合った部隊長を選んでゲームを楽しめるという。

『禍つヴァールハイト』のキービジュアル。“光”が人間の脅威になるなど、従来にはない世界観が舞台の重厚なオンラインRPGとなるようだ
『禍つヴァールハイト』のキービジュアル。“光”が人間の脅威になるなど、従来にはない世界観が舞台の重厚なオンラインRPGとなるようだ

 シナリオを担当した生田美和氏が「万能なヒーローではなく、1人1人がヒーローになれる作品にしたい」と話すように、所属した部隊の中で仲間のために頑張り、助け合いながら生き抜くことで、ゲームの物語が自分自身ものとして感じられる内容のゲームとなるようだ。こちらも現在開発中とのことで、続報は来年の春頃に明らかにするとしている。

主人公の“上司”となる部隊長のキャラクタービジュアルも公開。ボス的存在の部隊長から自由人的な部隊長まで、多様な個性を持つ部隊長の下に所属して戦う
主人公の“上司”となる部隊長のキャラクタービジュアルも公開。ボス的存在の部隊長から自由人的な部隊長まで、多様な個性を持つ部隊長の下に所属して戦う

「キャプ翼」「うたプリ」の海外版

 続く「Global Growth」に関しては、『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』の海外版『Captain Tsubasa: Dream Team』と、『うたの☆プリンスさまっ Shining Live』の海外版『Utano☆Princesama Shining Live』、2タイトルの配信が発表された。

 中でも『Captain Tsubasa: Dream Team』は、原作が世界中で人気を博していることもあって、英語やフランス語、ドイツ語など6ヵ国後に対応。135以上の国や地域で配信されるという。一方の『Utano☆Princesama Shining Live』は英語と繁体中国語版が用意され、欧米や台湾、香港などで配信されるとのことだ。

海外配信タイトルの『Captain Tsubasa: Dream Team』。世界的に人気の『キャプテン翼』が原作だけに、6ヵ国の言語に対応し、135以上の国や地域で配信するという力の入れ具合だ
海外配信タイトルの『Captain Tsubasa: Dream Team』。世界的に人気の『キャプテン翼』が原作だけに、6ヵ国の言語に対応し、135以上の国や地域で配信するという力の入れ具合だ
『Utano☆Princesama Shining Live』は英語と繁体中国語に対応。それぞれの言語に対応する国や地域で配信されるとのことだ
『Utano☆Princesama Shining Live』は英語と繁体中国語に対応。それぞれの言語に対応する国や地域で配信されるとのことだ

「幽☆遊☆白書」「ラブライブ!」も!

 そして3つ目の「Original Creations」に関して、1つ目のタイトルとして発表されたのは人気漫画『幽☆遊☆白書』のスマートフォンゲーム第2弾『幽☆遊☆白書 100%本気(マジ)バトル』。原作に登場するキャラクターでチームを編成し、5対5のバトルが楽しめるというものでアニメ版のメインキャストを起用したキャラクターボイスが用いられているのもポイントになるという。配信日は未定だが、今年12月に続報があるとのことだ。

『幽☆遊☆白書』のスマートフォンゲーム第2弾『幽☆遊☆白書 100%本気(マジ)バトル』。前作での要望に応えて、アニメ版声優によるキャラクターボイスが入るとのことだ
『幽☆遊☆白書』のスマートフォンゲーム第2弾『幽☆遊☆白書 100%本気(マジ)バトル』。前作での要望に応えて、アニメ版声優によるキャラクターボイスが入るとのことだ

 そして2つ目のタイトルは、ブシロードとの共同開発タイトル『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』。こちらは先行してブシロードから発表されているもので、前作『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』と同様リズムアクションゲームながら、9人のフォーメーションダンスが楽しめるとのこと。また『ラブライブ!』と『ラブライブ!サンシャイン!!』が同じ世代として登場する世界観で、なおかつ現在展開されている「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」のキャラクターが登場するのも、大きなポイントとなるようだ。こちらは2018年の配信を予定しているという。

(文・写真/佐野正弘)

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