※記事中の価格は、2017年7月上旬時点の税込み実売価格です。
パソコンもスマホもインターネットに接続しなければ役に立たないこの時代において、無線LANルーター(Wi-Fi親機)は最も重要な周辺機器の一つだ。図1のように、パソコンやスマホは無線通信で親機と接続し、そこからインターネット回線へとつながっていく。もし、その無線通信が遅かったらどうなるのか。結果は悲惨だ。
遅い親機は不幸のもと――最新規格は10 倍速い
無線通信が遅ければ、ウェブサイトからファイルをダウンロードするのに長く待たされる。各種のストリーミング動画の視聴にも支障が出る。高画質(HD)の動画は大量のデータを送る必要があり、途中の無線通信が遅いと画質が粗くなったり、途切れたりすることがある。家族の誰かがネットでHD動画を視聴すると、ほかの端末の通信速度が落ちることもある。
無線LAN通信の規格であるIEEE(アイトリプルイー)802.11には複数の種類があり、新しいものほど高速。例えば、ひと昔前に主流だったIEEE802.11nの通信速度が150M~450Mbpsなのに対して、最新の11Acでは866M~1733Mbpsと、規格値だけでも4~10倍も速くなっている。まして、11nより古い11gや11Aは54Mbpsと論外の遅さ。
ところが、こうした古い規格の親機を使っている人は意外に多い。日経PC21の読者アンケートでも、4割以上が150Mbps以下の11nや11gなどの親機を使用中だった。
本文中で「ひと昔前に主流だったIEEE802.11nの通信速度が150M~450Mbpsなのに対して、最新の11Acでは866M~1733Mbps」と記載しておりますが、これは現時点で販売されている無線LANルーターなどが対応している速度域です。厳密に規格上の通信速度は、802.11nは72.2M~600Mbps、11Acは433Mbps~6.93Gbpsとなります。