千葉・幕張メッセで2017年9月21日、世界最大級のゲーム・コンテンツ見本市「東京ゲームショウ2017」(主催:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会、共催:日経BP社)がスタートした。今年のテーマは「さあ、現実を超えた体験へ。Reality Unlocked.」だ。

 CESA(一般社団法人 コンピュータエンターテインメント協会)会長の岡村秀樹氏は21年目、今回で第27回を迎えた東京ゲームショウについて「ゲームの情報発信、あるいはさまざまなビジネスマッチングの場ということで言えば、世界有数のイベントに成長した」と自信を見せた。

CESA(一般社団法人 コンピュータエンターテインメント協会)会長の岡村秀樹氏
CESA(一般社団法人 コンピュータエンターテインメント協会)会長の岡村秀樹氏

 「ビジネスハブとしてもアジアでは他を圧倒する非常に有効なビジネスの場としても成長してきたのではないかと、CESAとしては自負している。本年は出展社数が609社と聞いている。非常に多くの企業・団体の皆様に参加していただき、国内の出展社数は過去最大となった。ここ数年は過半数が海外企業ということでワールドワイドになってきたが、その実績をさらに積み重ねていきたい」(岡村会長)

 続いて東京ゲームショウを共催する日経BP社 代表取締役社長の新実 傑氏が登壇した。

 「東京ゲームショウには数多くの企業・団体にご参加いただいており、今回は日本企業が292社と、この20年あまりでは最多となった。今年は『e-Sports X(イースポーツ クロス)』という大型ステージでe-Sportsに広くコミットしていきたい」(新実社長)

日経BP社 代表取締役社長の新実 傑氏
日経BP社 代表取締役社長の新実 傑氏

 「今週月曜日にはe-Sports統一団体が年内にも設立されるというニュースが飛び込んできた。統一団体ができるとJOC(日本オリンピック委員会)への加盟が視野に入り、アジア競技大会や2024年のパリ五輪、28年のロス五輪で正式種目入りも期待される。もう1つがVR、ARだ。昨年はVR(仮想現実)がかなり注目されたが、今年はAR(拡張現実)、さらには現実空間と仮想空間がさらに複雑に混ざり合うMR(複合現実)にもフォーカスしている。デジタル技術の進化により、かつて夢見たSF世界が次々と実現している。最も身近に、現実を超える体験ができるのがゲームの世界だと思うので、新ムーブメントの波をさらに大きくしていきたい」(新実社長)

経済産業省 大臣官房審議官(商務情報政策局担当) 前田泰宏氏が登壇

 続いて経済産業省 大臣官房審議官(商務情報政策局担当) 前田泰宏氏が登壇。

経済産業省 大臣官房審議官(商務情報政策局担当) 前田泰宏氏
経済産業省 大臣官房審議官(商務情報政策局担当) 前田泰宏氏

 「今回のゲームショウは世界の方々、東欧諸国の方々も来ているということで、まさしくオールオーバーザワールドになったと思う。ゲーム産業は日本のコンテンツ産業のけん引のみならず、日本産業全体を大きく導いてくれており、この成長エンジンはさらに駆動力を上げると思う。VR、AR、MRは(東京オリンピック・パラリンピックが開催される)2020年に向けてどんどん濃くなっている。パブリックユースも念頭に置きながら、相当大きなビジネスが成立すると思うので大変期待している。ゲーム産業の底知れぬ奥行きを最近改めて認識している。ゲーム産業の持つ人材育成の力、新しいビジネスを切り開く力を感じているので、ぜひゲームショウを一つのきっかけとして、全世界に発信していただきたい」(前田大臣官房審議官)

 日本コンテンツ海外発信強化支援プロジェクトであるCoFesta(コ・フェスタ)実行委員会委員長の大谷信義氏は「コンテンツ産業の価値はますます重要になり、幅広くなってきたと感じる」と語った。

CoFesta(コ・フェスタ)実行委員会委員長の大谷信義氏
CoFesta(コ・フェスタ)実行委員会委員長の大谷信義氏

 「CoFestaは日本が世界に誇るゲーム、キャラクター、アニメ、映画、放送、出版、音楽のコンテンツ産業、それからファッションやデザインなどコンテンツに近い産業の各業界の団体が海外発信力の強化支援プロジェクトとして設立され、今年で11年目を迎える。コアイベントである東京ゲームショウでは、来る東京オリンピック・パラリンピックに向けてコンテンツの魅力、ゲーム産業の最新情報を発信していただきたい」(大谷委員長)

開会式の最後には東京ゲームショウ2017の成功を祈念してテープカットが行われた
開会式の最後には東京ゲームショウ2017の成功を祈念してテープカットが行われた

オフィシャルサポーターのお笑い芸人のアルコ&ピースも登壇

 開会式後には、東京ゲームショウ オフィシャルサポーターに就任したお笑い芸人のアルコ&ピースもあいさつした。

 小学生の頃にゲームを買ってもらえず、友だちの家でファミコンをしてもコントローラーが回ってこなかったと話す平子祐希さんは「そんな中でサポーターに選んでいただいたことで、幼少期の復讐が一つ遂げられたのかなと思う。さらにゲームの世界が発展するようにお手伝いの一端を担えればうれしい」と語った。

アルコ&ピースの平子さん
アルコ&ピースの平子さん

 酒井健太さんも「一緒にゲーム業界を盛り上げていければと思います」と話した。

「東京ゲーム、ショウ!」とかけ声をかけるアルコ&ピースの酒井さん
「東京ゲーム、ショウ!」とかけ声をかけるアルコ&ピースの酒井さん
アルコ&ピースとコンパニオン、ゲームキャラクターの皆さん
アルコ&ピースとコンパニオン、ゲームキャラクターの皆さん

(文/安蔵靖志 写真/志田彩香)

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