東京ゲームショウ2017(9月21日~24日)開幕の直前となる2017年9月19日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントは報道関係者向けに「2017 PlayStation Press Conference in Japan」を開催した。2017年~2018年に発売される、およそ60の新作タイトルのほぽすべてを映像付きで紹介。全世界での普及台数が6040万台を突破したPlayStation 4(PS4)向けに、質・量ともに圧倒的なクォリティーを誇る新作タイトルが集結することを強くアピールした。
人気シリーズの新作、リメイクが続々
あまりに数多くのソフト群が用意されていたが、その中で最初に紹介されたのは、ゲームファンが待望する人気シリーズの新作群。『コール オブ デューティ ワールドウォーII』『二ノ国II レヴァナントキングダム』などが、たっぷりとした映像とともに披露された。
かつて絶賛された人気ゲームのリメイク版を中心にしたラインナップも登場。『ワンダと巨像』『ファイナルファンタジーIX』などの名作ソフトが、PS4の美しいグラフィックで蘇った。昔からのゲームファンに懐かしさを感じさせるとともに、PS4のマシンパワーを見せつけた。
さらには、『北斗が如く』『十三騎兵防衛圏』などの完全新作のタイトル群も投入される。PS4として、前述の人気シリーズやかつての人気ゲームのリメイクだけでなく、新機軸のタイトルも用意し続ける姿勢を見せた。
新作ゲームタイトル紹介の最後には、カプコンの辻本良三氏も登場。21日からの東京ゲームショウ2017でに出展されることでも話題の『モンスターハンター:ワールド』の発売日が2018年1月26日に決まったことを発表した。
PS VRは5000円値下げ、新機軸のタイトルも
発売から1年、未だ品切れが続くPlayStation VR(PS VR)については、盛田氏が「PS VRの供給を増やしていく」と宣言。10月14日からPS VRと専用カメラをセットにした「PlayStation VR PlayStation Camera同梱版」を5000円値下げし、4万4980円で販売することを発表した。
PS VR対応ソフトも大量に追加。カンファレンスでは『サマーレッスン:新城ちさと』『V! 勇者のくせになまいきだR』を筆頭に、およそ20タイトルを映像付きで紹介した。発売から1年たったPS VRだが、ハードの販売強化とタイトルの拡充で、さらなる普及を目指す。
アニメ配信・ニュース・コンサートなど、新たなチャレンジも発表
今回のカンファレンスでは、上記の話題作以外にも、PS4の新たなチャレンジともいうべき取り組みも披露された。
その1つが、いわば特別枠として紹介された新ゲーム『Hidden Agenda ―死刑執行まで48時間―』。これはスマートフォンやタブレットをコントローラーにして、新しい遊び方を提案する「PlayLink(仮称)」シリーズのひとつ。最大6人で遊べる多人数参加型のサスペンスゲームとなっている。それぞれのプレーヤーの選択が、ゲームの物語を変化させていくようだ。
ゲーム以外のコンテンツへの進出にも積極的だ。まずは、24時間のアニメ専門チャンネル「ANIMAX on PlayStation」を今冬から本格始動する。独自の編成を組み、独占配信コンテンツやゲームを原作としたアニメなどをPS 4向けに配信。全ての番組はタイムシフトでも視聴可能になる。
PS VR向けには、華やかな音楽祭の様子を、コンサートホールを独占するかのような気分で体感できる「VR音楽祭」(9月20日より配信)、朝日新聞とタッグを組み、ニュース、カルチャー、スポーツなどの映像を360度見回して体感できる動画サービス「NEWS VR」、さらにはニコニコ動画をVRで体験できる「NICONICO」などを開始する。
また、ソニーグループとして、小学館「コロコロコミック」編集部と共同で、子ども向けのキャラクターを開発する「キッズの星」プロジェクトについても説明。同プロジェクトから生まれた、『プロジェクト ゴンじろー』というキャラクターを公開し、順調にキャラクター開発が進んでいるとした。
このようにPS4は、充実したゲームタイトル群の拡充だけでなく、ゲーム以外のコンテンツへの進出も進めている。これは、圧倒的な普及台数という基盤があってのこと。この日のカンファレンスは、2017年現在のゲーム市場のフロントランナーとしての力を見せつける1時間だったと総括していいだろう。
(文/野安ゆきお)