東京ゲームショウ2017(9月21日~24日)開幕の直前となる2017年9月19日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントは報道関係者向けに「2017 PlayStation Press Conference in Japan」を開催した。2017年~2018年に発売される、およそ60の新作タイトルのほぽすべてを映像付きで紹介。全世界での普及台数が6040万台を突破したPlayStation 4(PS4)向けに、質・量ともに圧倒的なクォリティーを誇る新作タイトルが集結することを強くアピールした。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアプレジデント・盛田厚氏
ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアプレジデント・盛田厚氏

人気シリーズの新作、リメイクが続々

 あまりに数多くのソフト群が用意されていたが、その中で最初に紹介されたのは、ゲームファンが待望する人気シリーズの新作群。『コール オブ デューティ ワールドウォーII』『二ノ国II レヴァナントキングダム』などが、たっぷりとした映像とともに披露された。

『コール オブ デューティ ワールドウォーII』(販売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント、2017年11月3日発売、7900円)。「史上最大の作戦」と いわれたノルマンディー上陸作戦をはじめ、欧州の戦史に残る数々の戦場を描くシリーズ最新作 (c)2017 Activision Publishing, Inc. ACTIVISION, CALL OF DUTY, and CALL OF DUTY WWII are trademarks of Activision Publishing, Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.
『コール オブ デューティ ワールドウォーII』(販売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント、2017年11月3日発売、7900円)。「史上最大の作戦」と いわれたノルマンディー上陸作戦をはじめ、欧州の戦史に残る数々の戦場を描くシリーズ最新作 (c)2017 Activision Publishing, Inc. ACTIVISION, CALL OF DUTY, and CALL OF DUTY WWII are trademarks of Activision Publishing, Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.
『二ノ国II レヴァナントキングダム』(販売元:レベルファイブ、2018年1月19日発売、8000円)。前作で北米・欧州で150以上のノミネート、69の賞を受賞した「二ノ国」シリーズ待望の最新作 (c)LEVEL-5 Inc.
『二ノ国II レヴァナントキングダム』(販売元:レベルファイブ、2018年1月19日発売、8000円)。前作で北米・欧州で150以上のノミネート、69の賞を受賞した「二ノ国」シリーズ待望の最新作 (c)LEVEL-5 Inc.

 かつて絶賛された人気ゲームのリメイク版を中心にしたラインナップも登場。『ワンダと巨像』『ファイナルファンタジーIX』などの名作ソフトが、PS4の美しいグラフィックで蘇った。昔からのゲームファンに懐かしさを感じさせるとともに、PS4のマシンパワーを見せつけた。

『ワンダと巨像』(販売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント、2018年発売、価格未定)。2005年に発売され、その映像美と、他に類を見ない叙情性で国内外から絶賛された名作アクションゲームがPS4で復活 (c)Sony Interactive Entertainment Inc
『ワンダと巨像』(販売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント、2018年発売、価格未定)。2005年に発売され、その映像美と、他に類を見ない叙情性で国内外から絶賛された名作アクションゲームがPS4で復活 (c)Sony Interactive Entertainment Inc
『FINAL FANTASY IX』(販売元:スクウェア・エニックス、2017年9月19日配信開始、2315円)。全世界で累計出荷本数600万本を誇る、シリーズ屈指の名作がダウンロード専用ソフトとしてPS4に登場。高速モードや敵出現無しモード、ゲージMAXなどのブースター機能も備えている (c)2000, 2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
『FINAL FANTASY IX』(販売元:スクウェア・エニックス、2017年9月19日配信開始、2315円)。全世界で累計出荷本数600万本を誇る、シリーズ屈指の名作がダウンロード専用ソフトとしてPS4に登場。高速モードや敵出現無しモード、ゲージMAXなどのブースター機能も備えている (c)2000, 2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

 さらには、『北斗が如く』『十三騎兵防衛圏』などの完全新作のタイトル群も投入される。PS4として、前述の人気シリーズやかつての人気ゲームのリメイクだけでなく、新機軸のタイトルも用意し続ける姿勢を見せた。

 新作ゲームタイトル紹介の最後には、カプコンの辻本良三氏も登場。21日からの東京ゲームショウ2017でに出展されることでも話題の『モンスターハンター:ワールド』の発売日が2018年1月26日に決まったことを発表した。

『北斗が如く』(販売元:セガゲームス、2018年2月22日発売、8390円)。あの「北斗の拳」(原作:武論尊、漫画:原哲夫)が、「龍が如くスタジオ」の手によって本格アクションアドベンチャーゲームとして登場 (c)SEGA (c)武論尊・原哲夫/NSP 1983 版権許諾証GA-217
『北斗が如く』(販売元:セガゲームス、2018年2月22日発売、8390円)。あの「北斗の拳」(原作:武論尊、漫画:原哲夫)が、「龍が如くスタジオ」の手によって本格アクションアドベンチャーゲームとして登場 (c)SEGA (c)武論尊・原哲夫/NSP 1983 版権許諾証GA-217
『十三機兵防衛圏』(販売元:アトラス、2018年発売、価格未定)。“十三人”の主人公によるドラマチックアドベンチャー! 80年代の世界を舞台に、「機兵」と呼ばれるロボットに乗り込み運命と戦う (c)ATLUS (c)SEGA All rights reserved.
『十三機兵防衛圏』(販売元:アトラス、2018年発売、価格未定)。“十三人”の主人公によるドラマチックアドベンチャー! 80年代の世界を舞台に、「機兵」と呼ばれるロボットに乗り込み運命と戦う (c)ATLUS (c)SEGA All rights reserved.
カプコン『モンスターハンター:ワールド』のプロデューサーの辻本良三氏が、盛田氏から「おかえりなさい」との言葉に迎えられて登壇。『モンスターハンター:ワールド』に合わせて、PS4の数量限定モデル「PlayStation 4 Pro MONSTER HUNTER: WORLD LIOLAEUS EDITION」が発売されることも発表した
カプコン『モンスターハンター:ワールド』のプロデューサーの辻本良三氏が、盛田氏から「おかえりなさい」との言葉に迎えられて登壇。『モンスターハンター:ワールド』に合わせて、PS4の数量限定モデル「PlayStation 4 Pro MONSTER HUNTER: WORLD LIOLAEUS EDITION」が発売されることも発表した

PS VRは5000円値下げ、新機軸のタイトルも

 発売から1年、未だ品切れが続くPlayStation VR(PS VR)については、盛田氏が「PS VRの供給を増やしていく」と宣言。10月14日からPS VRと専用カメラをセットにした「PlayStation VR PlayStation Camera同梱版」を5000円値下げし、4万4980円で販売することを発表した。

 PS VR対応ソフトも大量に追加。カンファレンスでは『サマーレッスン:新城ちさと』『V! 勇者のくせになまいきだR』を筆頭に、およそ20タイトルを映像付きで紹介した。発売から1年たったPS VRだが、ハードの販売強化とタイトルの拡充で、さらなる普及を目指す。

PS VR向けソフトで一番注目は『ねこあつめVR』(販売元:Hit-Point、2018年3月発売、価格未定)かもしれない。ねこを集めていくだけのタブレット用ゲーム、まさかのVRソフトへの進出 (c)2017 Hit-Point Co.,Ltd.
PS VR向けソフトで一番注目は『ねこあつめVR』(販売元:Hit-Point、2018年3月発売、価格未定)かもしれない。ねこを集めていくだけのタブレット用ゲーム、まさかのVRソフトへの進出 (c)2017 Hit-Point Co.,Ltd.

アニメ配信・ニュース・コンサートなど、新たなチャレンジも発表

 今回のカンファレンスでは、上記の話題作以外にも、PS4の新たなチャレンジともいうべき取り組みも披露された。

 その1つが、いわば特別枠として紹介された新ゲーム『Hidden Agenda ―死刑執行まで48時間―』。これはスマートフォンやタブレットをコントローラーにして、新しい遊び方を提案する「PlayLink(仮称)」シリーズのひとつ。最大6人で遊べる多人数参加型のサスペンスゲームとなっている。それぞれのプレーヤーの選択が、ゲームの物語を変化させていくようだ。

『Hidden Agenda ―死刑執行まで48時間―』(販売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント、2017年発売、価格未定)。最大6人同時プレーのサスペンスゲーム (c)Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Supermassive Games.
『Hidden Agenda ―死刑執行まで48時間―』(販売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント、2017年発売、価格未定)。最大6人同時プレーのサスペンスゲーム (c)Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Supermassive Games.

 ゲーム以外のコンテンツへの進出にも積極的だ。まずは、24時間のアニメ専門チャンネル「ANIMAX on PlayStation」を今冬から本格始動する。独自の編成を組み、独占配信コンテンツやゲームを原作としたアニメなどをPS 4向けに配信。全ての番組はタイムシフトでも視聴可能になる。

 PS VR向けには、華やかな音楽祭の様子を、コンサートホールを独占するかのような気分で体感できる「VR音楽祭」(9月20日より配信)、朝日新聞とタッグを組み、ニュース、カルチャー、スポーツなどの映像を360度見回して体感できる動画サービス「NEWS VR」、さらにはニコニコ動画をVRで体験できる「NICONICO」などを開始する。

 また、ソニーグループとして、小学館「コロコロコミック」編集部と共同で、子ども向けのキャラクターを開発する「キッズの星」プロジェクトについても説明。同プロジェクトから生まれた、『プロジェクト ゴンじろー』というキャラクターを公開し、順調にキャラクター開発が進んでいるとした。

 このようにPS4は、充実したゲームタイトル群の拡充だけでなく、ゲーム以外のコンテンツへの進出も進めている。これは、圧倒的な普及台数という基盤があってのこと。この日のカンファレンスは、2017年現在のゲーム市場のフロントランナーとしての力を見せつける1時間だったと総括していいだろう。

(文/野安ゆきお)

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