2016年9月15日、千葉・幕張メッセで開催の「東京ゲームショウ 2016」のイベントステージにおいて「日本ゲーム大賞 2016」(主催:コンピュータエンタテインメント協会、略称:CESA)の経済産業大臣賞および年間作品部門の受賞作品が発表され、授賞式が行われた。

 経済産業大臣賞は、近年に制作・発表されたゲーム作品の中から、日本のコンピューターエンターテインメント産業の成長に寄与した人物や団体に与えられる賞。今年は、家庭用ゲーム機やスマートフォンなど、さまざまなプラットフォームでタイトルをリリースしている点、ユーザー参加型のライブイベントや他業種とのコラボレーションなど、ゲームを起点にビジネスの領域を大きく広げたことが評価され、スクウェア・エニックスのドラゴンクエスト30周年プロジェクトチームに授与された。

 また日本を代表する11人のクリエーターがプロの視点から「独創性を」や「斬新さ」など評価して選出する「ゲームデザイナーズ大賞」は、DONTNOD Entertainmentの『Life Is Strange』が受賞。ゲームデザイナーズ大賞の審査員長である桜井政博氏(有限会社ソラ代表)は受賞理由について以下のように述べている。

 「『Life Is Strange』は、時間を巻き戻せる能力を持った女子学生が主人公の作品で、その真骨頂は、選択をやり直せることにあります。しかし、善しあしがはっきりしているものばかりではなく、どの選択肢を選んでも、それはそれでゲームは進みます。アドベンチャーゲームで“タイムリワインド”が採用された例はない上、多くの選択肢に対する作り込みなどが評価され、今回の受賞となりました」

今年も司会進行はタレントの伊集院光さんと前田美咲さん
今年も司会進行はタレントの伊集院光さんと前田美咲さん
授賞式開催にあたってあいさつする岡村秀樹CESA会長
授賞式開催にあたってあいさつする岡村秀樹CESA会長
会場ではドラクエの30年を振り返るVTRも。奥は“ドラクエの祖”堀井雄二氏
会場ではドラクエの30年を振り返るVTRも。奥は“ドラクエの祖”堀井雄二氏
ゲームデザイナーズ大賞のプレゼンターを務めた桜井審査員長
ゲームデザイナーズ大賞のプレゼンターを務めた桜井審査員長

年間作品部門各賞

 2015年4月1日から2016年3月31日までに国内でリリースされたタイトルを対象に一般ユーザーからの投票(7月22日締め切り)を実施し、対象となった887タイトルの中から、日本ゲーム大賞の選考委員による審査を経て、年間を代表するにふさわしい作品を選出。年間作品部門の各賞受賞作品は以下の通り。

■大賞

・『Splatoon』(任天堂)

■優秀賞

・『ウィッチャー 3 ワイルドハント』(スパイク・チュンソフト)
・『スーパーマリオメーカー』(任天堂)
・『Splatoon』(任天堂)
・『DARK SOULS III』(フロム・ソフトウェア)
・『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』(スクウェア・エニックス)
・『Fallout 4』(ベセスダ・ソフトワークス)
・『Minecraft』(日本マイクロソフト)
・『METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN』(コナミデジタルエンタテインメント)
・『モンスターハンタークロス』(カプコン)
・『妖怪ウォッチバスターズ 赤猫団/白犬隊』(レベルファイブ)

■ベストセールス賞

・『モンスターハンタークロス』(カプコン)

■グローバル賞日本作品部門

・『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS/Wii U』(任天堂)

■グローバル賞海外作品部門

・『コール オブ デューティ ブラックオプス III』

 大賞を受賞した『Splatoon』は、単純明快なルールながら奥の深いゲーム性、独特な世界観で彩られたグラフィック、4対4のネット対戦の面白さなど、世代を問わず多くのプレーヤーを熱狂させた作品。「家族でハマった」「娘がサンタさんからもらったものですが、今では母親の私のほうが夢中になっています」など、多くの声が寄せられていた。

全887タイトルの中から優秀賞に選ばれた10作品
全887タイトルの中から優秀賞に選ばれた10作品
作品部門の大賞は任天堂の『Splatoon』が受賞した
作品部門の大賞は任天堂の『Splatoon』が受賞した
最後に日本ゲーム大賞 2016の受賞者で記念撮影が行われた
最後に日本ゲーム大賞 2016の受賞者で記念撮影が行われた

(文/堀井塚高、写真/中村宏)

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