昨年に引き続き、今年のTGS会場でも各メーカーから出展された「PS VR」や「Oculus Rift」、「Vive」を使用したVRコンテンツが人気を集めている。このトレンドは未来のゲーム開発者を育成する場、すなわち大学やゲームの専門学校にもすでに波及している。事実、ゲームスクールコーナーに出展した各大学・専門学校のブースをのぞいてみると、学生たちが授業や研究の一環として制作したVRコンテンツが、昨年にも増して数多く公開されていた。

 以下、筆者が気づいた範囲で特に気になったVRコンテンツを4タイトルご紹介する。

『ボードバレリング』(東京工科大学)
 Oculus Riftを使用した、冬季オリンピックの正式競技にもなっているスケルトンをイメージして作られたゲーム。左右に傾く、お手製のデバイスを操作してパイプ型のコースを進み、いかにタイムロスを少なくしてゴールできるかを競う。

より臨場感を高めるため、コックピットを模した学生さん手作りのデバイスを用いて遊ぶ

『投げNight』(バンタンゲームアカデミー)
 Viveを使用した、いわゆるタワーディフェンス型のアクションゲーム。プレーヤーは足元にあるキャラクターをつかみ、次々と迫る来る敵に向かって投げて倒していく。野球のボールを投げる要領で腕を動かすことになるが、正確に狙って当てるのがなかなか難しい。

ただ闇雲に投げるだけでなく、敵のいる場所を正確につかむ距離感が要求される

『封禍(ふうが)』(アーツカレッジヨコハマ)
 牢屋からの脱出を目指すホラーアクションゲーム。後ろを振り向くと大音響とともにゾンビと思しきキャラクターが出現したり、人間の首がいきなり転げ落ちるなど、お化け屋敷にいるかのようなスリル感を全面に押し出した作品だ。Oculus Riftを使用。

本作を遊べば、血のついた壁や不気味なキャラクターが出現する恐怖感とVRは、とても相性がいいことがわかるハズ

『THE GOBIRINTH』(大阪電気通信大学)
 宝箱に隠された武器を集めつつ、こちらに向かってくる敵に狙いを定めで武器を発射して倒すアクションゲーム。トリガーを押すと波動のようなものが発射され、特に連射攻撃ができる武器を使うのが気持ちよかった。Oculus Riftを使用。

迷宮内では、先へ進むための通路や敵を発見するため、体の向きをひんぱんに変える必要があるのでなかなか忙しい

 今回ご紹介した以外にも、ゲームスクールコーナーには学生たちが試行錯誤の末に作り上げたVRコンテンツがいろいろと出展されている。注目度が高く、待ち時間がどうしても長くなる企業ブースに比べ、こちらはさほど混雑していない。とにかくVRコンテンツを体験してみたいという方は、ゲームスクールコーナーにもぜひ足を運んでみてはいかがだろうか?

(文・写真/鴫原 盛之)

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