画質は第1世代のスマートフォンレベル

 実際に撮影した画像も、第1世代のスマートフォンか同時期の携帯電話といったレベルだ。CMOSセンサーは1.3メガピクセルと、センサー自体が1280×1024ドットレベル。これをフルHD画質にするために引き延ばしているため、映像は精細感がなく細部が潰れてしまっている。前述の通りダイナミックレンジの拡張設定などもないため、日なたと日陰など輝度の差の激しい場所や逆光では日陰が黒く潰れてしまう。

 手振れ補正機能がないのも難点。自転車に取り付けて撮影した場合、舗装された車道や専用路なら問題ないが、少し凹凸のある悪路では映像が激しく揺さぶられ、見ている方が酔ってしまいそうだった。説明書などには特に記載はないものの、映像の様子から上下方向のみ多少のデジタル手ブレ補正を搭載しているようだが、効き幅が小さく、効果が見えにくかった。

 また、カメラや被写体の動きが激しく、映像自体が目まぐるしく変化すると、映像の処理が追いつかないのか録画した映像がかなりコマ落ちする。こうした画質の悪さやカクツキを“臨場感や味”として受け入れられるならありだし、順光や曇りなど光線状態の良い状況や振動の少ないシーンならある程度の画質が見込める。

順光で撮影すれば、ある程度の画質で撮れる(写真モード)
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逆光状態では、周囲が黒く潰れてしまう(写真モード)
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手前が日陰で向こう側が日なたという輝度の差が激しい場所では見た目以上にコントラストが高くなる。ただし、白潰れに関してはある程度抑えている(写真モード)
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花などは20cm前後まで近寄ってもピントが合う。赤色は色飽和して破綻しやすいが、かなり健闘している。ただ、黄色がなぜか白飛びしやすいようだ
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「TAC-15S」を自転車に装着
パイプマウントで自転車に装着して撮影。自転車専用道を走ったので揺れも少なく、直射日光もなかったので、映像としてはそこそこ見られる。ただし、コマ落ちが多いのが気になるところだ
「TAC-15S」で水中を撮影
防水マウントと自撮り棒を使うことで、噴水の中にカメラを入れて水面や水中を撮ることができる

アクションカムの入門にお薦め

 本製品は、画質や機能では他社のアクションカムに劣る部分が多い。性能を求めるなら、素直に費用をかけてGoPro「HERO5」やソニー「FDR-X3000」を購入するべきだ。

 それよりも、実売価格が約5000円でアクセサリーがこれだけ付属し、microSDカードを用意するだけで、追加費用なしにさまざまな撮影が楽しめるという点こそ評価できる。アクションカムの入門として買うのがいいだろう。また、アクションカムはその用途から、走行中の自転車から落ちたり、水中で流されたり、強い衝撃が加わって壊れたりというアクシデントも多い。数万円の製品だと惜しいと思うような使い方でも気にせず、思う存分、撮影にチャレンジできる。複数台買って、自転車の前後などに付け、さまざまな角度から撮るといった楽しみ方もできそうだ。

(文・写真/シバタススム)