マウスコンピューターは2017年8月22日、自宅をスマートホーム化するための周辺機器群「mouseスマートホーム」を発表した。ルームハブと呼ばれる制御用の機器を核にさまざまな機器を組み合わせることで、外出先のスマホからエアコンやテレビなど既存の家電を操作したり、各種センサーで窓の開閉や人の動きを検出したりできるようになる。スマートプラグやスマートLEDライトなど5製品がセットになったオールインワンのスターターキットを低価格(予想実売価格は2万4800円)で用意し、専門知識がない人でも手軽に導入しやすくした。低価格を武器にパソコン業界で存在感を示すマウスコンピューターが、家庭向けIoTの分野にいち早く参入して覇権を狙う。発売は8月24日。
ルートハブを中心に、必要に応じて制御機器やセンサーを追加できる
mouseスマートホームで中心となるのが、円形のルームハブ。中央には赤外線の発光部を備えており、赤外線リモコンで操作するテレビやエアコンなど、インターネット接続やスマホ接続に対応していない既存の家電をスマホなどから制御できるようになる。赤外線以外にWi-FiやBluetoothも内蔵しており、それらに対応した機器もコントロールできる。
ただ、ルームハブだけでは赤外線などによる操作に対応していない機器は制御できないし、何かをコントロールしたい場合は自分で操作をする必要がある。それを解決するのが、ルームハブと組み合わせて使うさまざまな周辺機器の存在だ。
スマホ経由でコンセントの電源をオンオフできるスマートプラグを追加すれば、扇風機などの家電を制御できる。オンオフする時間をスケジュールで自動制御する機能もあり、子どもにテレビやテレビゲームを使わせたい時間も手間なくコントロールできる。電気の使用量をスマホで確認する機能も持つ。
スマートLEDライトは点灯や消灯、光量調整の機能を持つLED電球。こちらもスケジュールを設定して制御することも可能。複数のライトを組み合わせて使うこともでき、複数の電球を装着するシャンデリアなどでも一斉にコントロールできる。
人の動きを検出するモーションセンサーや、ドアの開閉を検知するドアセンサーも用意する。これらのセンサーで得た情報を利用して、「人の動きを検出したらスマートプラグに接続した扇風機を動かす」「ドアが開いたらLED電球を点灯させる」といった連動が可能になる。連動の条件はアプリ上で細かく設定できる。
空気の汚れを検知するPM2.5センサーやBluetooth制御に対応した空気清浄機も用意する。センサーは空気清浄機内に組み込まれているのが一般的だが、汚れを検知する場所と空気を清浄したい場所が異なるケースに対応できるのがメリット。また、Bluetoothで制御できる空気清浄機は珍しいという。
まずは5つの機器がセットになった割安なスターターキットを販売
mouseスマートホームは、スマートプラグなどの機器やセンサー類を用意して連携させることで利便性が増す。スマートホームの魅力を多くの人に手軽に体験してもらうため、まずは基本的な5つの機器(ルームハブ、スマートプラグ、スマートLEDライト、モーションセンサー、ドアセンサー)がセットになったスターターキットのみを販売する。価格は2万4800円に抑え、機器を個別に購入した場合よりも4000円ほど割安にした。各機器の単品販売は追って始める。
当初は、mouseスマートホーム対応機器のみ連携できるが、すでに個性的な機能を持つIoT機器を投入している「Philips hue」や「Netatmo」などのデバイスと連携できるようにする計画があるという。対応機器が広がれば利便性が向上し、より魅力的なシステムとなるだろう。
マウスコンピューターの小松永門社長は「マウスコンピューターは、これまで低価格や高機能でパソコンを身近な存在にしてきたが、ユーザーのニーズがパソコンから変わりつつある。今後、事業を拡大していくには、パソコンに近い技術を採用したIoT製品が重要な存在となる。日本のユーザーの視点で使いやすいと感じる製品を投入していき、生活をより便利にしていきたい」と語る。
(文/磯 修=日経トレンディネット)