30~50代のビジネスパーソン向け広告事業に期待

 2つ目が「決済」だ。全国タクシーと連携して使える、自社開発の決済サービス「JapanTaxi Wallet」を提供している。同サービスは乗車中にオンラインで決済を完了することで、降車時の支払いの手間を省くもの。利用する場合、まず全国タクシーにクレジットカード情報などを事前に登録しておく必要がある。

 乗車後に日本交通のタクシーの後部座席に設置されたタブレット端末を操作して、決済サービスのボタンをタップすると画面上にQRコードが表示される。このQRコードを全国タクシーで読み込むと、事前に登録した決済手段で決済が完了する。紙の領収書が必要であれば、降車時に受け取るだけで降りられる。

アプリでQRコードを読み込むことで、乗車中に決済できる「JapanTaxi Wallet」
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 これは、「タクシー利用者の9割が街中で手を上げて、走っているタクシーを止めて乗車する」(金氏)という国内市場に併せて開発したもの。そうした利用者でも、事前決済を利用できるようにすることで利便性の向上を目指した。

 そして、決済でも利用するタブレット端末を活用した「広告」が3つ目の事業カテゴリーとなる。ネット広告会社のフリークアウトと共同出資会社のIRISを設立して、広告商品を共同開発している。

 「タクシーの平均乗車時間は18分。さらに30~50代のビジネスパーソンが多く利用している」と金氏はタクシー利用者の特徴を紹介する。そうした層を狙いたい広告主企業向けに、タブレット端末に動画広告を配信するサービスを提供する。最大の特徴はタクシーのメーターと連動していること。「空車」から「賃走」などに切り替わったタイミングで動画広告の再生が始まるため、空車時の無駄な広告配信を防げる。

 こうしたタクシーの利便性の向上や、タクシーを広告媒体と見立てたサービスなど、ITを活用して様々な事業を生み出すJapanTaxiが次に狙うのはAI(人工知能)の活用だ。「ビッグデータを用いて、AIが効率的にタクシーを配車するシステムの研究開発に力を注いでいく」と金氏は将来像を語り、講演を締めくくった。

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(文/中村勇介=日経トレンディネット)