USB接続のアダプターで古いPCのWi-Fiを最新の11ac対応に

 今回は、筆者が住む鉄筋コンクリート2階建ての住宅を例にWi-Fi環境の改善を試みたが、自宅やオフィスの環境は人それぞれなので、一般的な話もしておきたい。

 これまで解説してきたように、Wi-Fi環境の改善はまずWi-Fiの基礎知識を理解したうえで、使用しているWi-Fiルーターやスマホなどのスペックの確認、近隣のWi-Fi電波の状況、現状の電波の強さや伝送速度などを把握することが大切だ。それが分かれば、その情報をもとにさまざまな改善方法を試すことが可能になる。今回利用したWi-FiミレルやLAN SPEED TESTなどのツールは無料なので、ぜひ利用したい。

 2.4GHz帯を使用している人は、まずチャネルの確認をしてみよう。近隣の住宅から強い電波が飛んできている場合は、そのチャネルを避けることで干渉が減り、伝送速度が上がる可能性がある。筆者の自宅のように、鉄筋コンクリートであれば5GHz帯の干渉は少ないが、木造アパートで隣人が11ac(5GHz)を使用しているとチャネルが重なる可能性は否定できない。Android版のWi-Fiミレルは近隣で使われているWi-Fiのチャネルが確認できるので、自分が使用しているチャネルが最適かどうかを確認しよう。

 スマホやタブレットはWi-Fiのスペックを変更することはできないが、パソコンならばUSB接続のWi-Fiアダプターを接続することで、11n/11g対応の古いWi-Fi環境を11ac対応にできる。現在市販されている11ac対応のアダプターはやや大きめなので、モバイルPCに装着して外出するのは少々気が引けるサイズだが、自宅から持ち出さないPCであったり、オフィスで使用するときだけ11ac対応にすると割り切れば、伝送速度を倍以上に上げられる可能性がある。

11n対応の古いノートPCに11ac対応(867Mbps)のUSBアダプターを装着してみた。出っ張りが気になるが、持ち出さないPCであればノートPCでもデスクトップPCでもWi-Fi環境の改善が可能だ
[画像のクリックで拡大表示]
上がエレコムの「WDC-867SU3SBK」(実売価格は2800円前後)、下がバッファローの「WI-U3-866DS」(実売価格は4500円前後)。いずれも11ac、867Mbpsに対応している。気になるサイズは、エレコムが全長51mm、バッファローは74mmと長め
[画像のクリックで拡大表示]

買い替えで余ったWi-Fiルーターを中継機として利用する

 Wi-Fiルーターは、中継機として利用できるものもある。例えば、11n対応の古いWi-Fiルーターを11ac対応のものに買い替えたとしよう。「5GHz帯にしたら電波が届かない場所が見つかった」という場合、これまで使用してきたWi-Fiルーターが中継機として使用できる機種であれば、新規に中継機を購入しなくても済む可能性がある。処分したり廃棄する前に、説明書やメーカーのWebサイトなどで確認してみよう。

 高速なWi-Fi環境が構築できる11acは、今後主流になるのは間違いない。反面、これまで多く使われてきた2.4GHz帯の電波に比べ5GHz帯の電波は届きにくくなるケースが増え、「ネットにつながらない」「遅くなった」というトラブルに遭遇することもあるだろう。

 Wi-Fiの基礎知識があれば、トラブルへの対応は難しくない。Wi-Fiの環境は人それぞれなので、自分のWi-Fi環境を把握できれば最適なWi-Fi環境の構築ができる。筆者は、引っ越しとNURO光の導入がきっかけでWi-Fi環境を再構築してみたが、Wi-Fiの速度に疑問や不満のある人も、今一度自分のWi-Fi環境を見直してみよう。

(文/奥川浩彦)