「他社は簡単にまねできない」

 wena wrist leatherの技術的なポイントは、新開発のFeliCaモジュール。ステンレスバンドと違ってレザーバンドではモジュールが曲がってしまうため、通常のモジュールでは通信特性に影響が出るほか、耐久性にも十分配慮する必要があるからだ。今回のモジュールでは、曲げた状態でもコイルの開口方向が通信方向と一致するように設計することで、通信特性の変化を防いでいる。

 このモジュールについて、プロジェクトリーダーの新規事業創出部 wena事業準備室 統括課長の對馬哲平氏は今回最も苦労している点として挙げるとともに「他社は簡単にまねできない強み」と自負する。また、12月の発売までにさらなるクオリティーのアップを進めているそうだ。

新たに開発されたFeliCaモジュールのイメージ。このモジュール自体は生活防水に対応するのでぬれても全く問題ないという。ただし、レザー素材は水にぬれると傷むので注意しよう
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 レザー素材についても、国内加工のカーフレザー採用に品質へのこだわりを感じる。色ごとに最適ななめし方を選択しており、タンニンなめしのブラック/タイニーブラウン/ワインレッドは「使い込むほど色合いに味が出る」(對馬氏)。また、FeliCaモジュールは精度が重視されることから、職人による手作業で組み込まれているとのこと。細部にまで気を配り、品質や精度を高めていることが見て取れる。

レザーバンドの縫製作業のイメージ
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 一方で、機能が電子マネー(楽天Edy)だけに絞られている点は、逆の意味で気を付けたいポイントだ。一般的なスマートウォッチのようにスマートフォンの着信や通知を受けたり、歩数などを計測したりできないばかりか、基本的にスマホと連携しないという点を踏まえても、「既存のスマートウォッチとは別物」と考えるべきだろう。

 ただ、そもそもwena wrist の“wena”は「wear electronics naturally」の略で、「自然に、違和感なく、ウェアラブルデバイスを身に着けてほしい」という對馬氏の考えから生まれた。ライトユーザーでも手軽に使えるという観点から見れば、機能を絞ったwena wrist leatherの方向性はありだろう。

ソニー 新規事業創出部 wena事業準備室 統括課長の對馬哲平氏
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