歌詞を透過ディスプレイに映し出すスピーカー「リリックスピーカー」。海外の展示会などで高い評価を受けた注目の製品だ。6月から三越伊勢丹にて先行予約が始まり、9月14日以降に随時納品される。リリックスピーカーの開発の背景などをSIX(シックス)のCEO、野添剛士氏に聞いた。

シックスの「リリック・スピーカー」。限定生産で税込み価格は32万4000円。http://lyric-speaker.com/
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 リリックスピーカーの魅力は、ただ単純に再生した楽曲の歌詞を表示するわけではないこと。同社が「Lyric Sync technology」と呼ぶ技術を使って、歌詞をモーショングラフィックとして表示する。しかも、スマホなどから音楽の再生を指示すると、スピーカーが歌詞をネット上のデータベースから取得するとともに、曲の構成や雰囲気を解析。例えばロックなら力強く、バラードならやさしくと、曲調に合わせて歌詞のフォントやサイズ、動きを変えて表示する。

 このスピーカーを開発したのは、オーディオメーカーやIT企業ではなく、広告を手がけるクリエイティブエージェンシー、SIX(シックス)。2013年にデジタル分野を得意とするクリエイター6人で発足した博報堂の独立子会社で、その強みを生かした新しいコミュニケーションやコンテンツ、商品・サービスを制作するクリエイター集団だ。しかし、そんな彼らがなぜハードウエアを展開するのか。これについて同社CEOの野添剛士氏は、「音楽というカルチャーをアップデートするため」と話す。一体どういうことだろう?

 野添氏によると、近年必要とされる”クリエイティブ”には、顕在化したマーケティング課題などに応える広告クリエイティブと、そういった課題に対してではない、いち生活者としての気付きから生まれるカルチャーや社会の可能性を拡げるクリエイティブがあるという。

シックス CEOの野添剛士氏。博報堂のクリエイター6人で設立したシックスは、“Update the real”を標榜し、領域を越境した新たなクリエイティブを手がける
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