VR(仮想空間)ゲームは、プレイステーション向けVR製品「Playstation VR」の登場で一気に盛り上がっている。だが、どこまでヒットするのだろうか?
 ゲーム雑誌「ゲーム批評」の元編集長で、現在はゲーム開発と産業を支援するNPO法人「国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)」代表の小野憲史氏が解説する。

 米ロサンゼルスで2016年6月14日から16日まで(現地時間)、世界最大級のテレビゲーム展示会「エレクトロニック・エンタテインメント・エキスポ(E3)」が開催された。目玉の一つだったのが、VR(仮想空間)専用ゲームだ。

世界最大級のテレビゲーム展示会「E3」
[画像のクリックで拡大表示]

 特にPlaystation VR(プレイステーション ヴィーアール、以下PS VR)の発売を控えるソニー・インタラクティブエンタテイメント(SIE)は自社ブース内に専用エリアを設けて大々的にアピール。日本での発売日も米国と同じ10月13日と発表された。発売にあわせて国内で14タイトルのリリースを発表、年内に50タイトルを発売予定という。

10月13日に発売されるPS VR、価格は4万4980円(税別、以下同じ)
[画像のクリックで拡大表示]
「PlayStation Camera同梱版」も4万9980円で同時発売。PS VRではPS3向けのモーションコントローラ付き入力デバイス「PlayStation Move」も使用できる。ただしPS4では接続端子がUSB Micro-B端子に変更されたため、変換アダプタとセットで、リパッケージしての発売が予定されている
[画像のクリックで拡大表示]

滑り出しは好調

 6月18日には日本でもソニーの公式オンラインショップ「ソニーストア」や、全国の量販店などでPS VRの予約受け付けが開始された。PS VR単体の価格は4万4980円(税別)で、ゲームを遊ぶにはPlayStation 4本体と、周辺器機のPlayStation Cameraが必要だ。

 すでにVR HMD(ヘッドマウントディスプレー)製品としては、Oculus VRの「Rift」と、HTCの「Vive」がPC向けに発売されており、ウェブ上のストアでコンテンツ配信が始まっている。しかしVR体験には高性能なゲーミングPCが必要で、HMDとセットで30万円程度かかる。そのため現在のところゲーム開発者や一部のゲーム愛好者向けにとどまっている。

高性能なゲーミングPCが必要となるOculus VRの「Rift」
[画像のクリックで拡大表示]

 これに対してPS VRはPS4とセットで購入しても9万円前後の出費に抑えられるため割安感があり、VR市場の開拓者として期待されている。SIEはPS VRの予約受注数を明らかにしていないが、世界的にみても受注は好調のようだ。日本でもソニーストアでアクセス過多による障害が一時的に発生し、量販店でも数日で初回予約分の受け付けが終了した。

 世界的にみれば家庭用ゲーム市場は拡大傾向にあるが、日本の市場規模は1997年の5833億円(ゲームソフト)がピークで、2014年は2521億円(ダウンロード売り上げ含む、CESAゲーム白書)と4割強に縮小した。予約数が未公開とはいえ、PS VRの初回予約受け付けが早々に終了したことは、業界として久々に明るいニュースだったといえる。