非会員に向けて、手軽に物件を検索できる手段を用意したのは、物件の外観や施設の写真、観光情報など付随するコンテンツに触れる機会を増やし、サービスへの関心を高めてもらう狙いだ。

 同社の検索サイトに掲載された物件情報や写真、Facebookの自社ページに記事として掲載した旅行や宿泊施設に関する記事などは、閲覧するだけで旅行の雰囲気を味わえるコンテンツとして一定の人気も集めているという。集客コンテンツそのものである検索サイトにリーチする人を増やす手段として、ボットが活躍しているのだ。

 チャットボットは、一般的な消費者が利用に踏み出すまでの最初のハードルが高いサービスの典型例といえる法律サービスにも広がり始めた。弁護士事務所の駒澤綜合法律事務所は、Facebook MessengerとLINEを使い、法律相談「支援」のチャットボットを運用している。

 相談の「支援」とうたうのは、ボットが返すのはAIなどで学習した法律判断でなく、法律相談で迷っている人たちに向けて、定型化した回答から適切な内容を返す仕組みにとどまっているからだ。ボットを通じて、実際に法律相談をするかどうかの判断や、準備するべきことやものの理解を助ける。最終的には、サービスを必要とする人に向けて、法律相談の需要を掘り起こす役割を期待しているという。

 チャットボットには今後、様々な可能性が広がっていくだろう。AIの発展を待たなくても、現在の技術レベルでもできることは多い。サービス利用・商品購入を検討するまでの心理的なハードルを劇的に下げ、新しい顧客層にリーチする可能性を広げられそうだ。

(文/玄 忠雄=日経コミュニケーション)