一方、米国や英国などでは、大手携帯電話事業者が自ら、新規契約を獲得するために中古iPhoneを積極的に取り扱っている。「CPO」(Certified Pre-Owned、メーカー認定の中古品)と呼ばれる製品で、事業者の直販サイトや販売店でも大きく取り扱っている。つまり米アップルと携帯電話大手ともに海外では、新品と中古品の両方の選択肢を消費者に用意している。

米ベライゾン・ワイヤレスが自社直販サイトで取り扱う認定中古品(出所:米ベライゾン・ワイヤレス)
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海外では中古iPhoneのSIMロック解除が常識

 

 米アップルは「SIMロック」についても日本と海外で異なる対応を取っている。

 例えば、米国ではAT&Tに続いて米ベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless)など2位以下の大手3社もiPhone販売に参入。取扱事業者が増えるにつれて、事業者が取り扱うiPhoneのSIMロックの機能を見直した。米国内の他事業者のSIMを使えないようにする一方で、海外ではSIMロックフリー機として使えるように制約を緩和したSIMロック機能が採用されるようになったのだ。欧州などでも同種のSIMロック機能を採用したiPhoneが販売されているという。

 一方、日本のiPhoneは現在も海外含めて他事業者のSIMが使えないSIMロック機能が採用されている。2015年春から総務省の政策の下、SIMロックの解除制度が始まり、不便さはやや解消されつつある。それでもこの差は、アップルが日本市場を海外と分けて「特殊な対応」を取っている状況証拠の1つといえるだろう。

 海外で中古iPhoneが活発に流通するのは、業者間でSIMロック解除の手続きが確立している点も貢献している。米国などで中古スマホ流通を手掛けるエコケーの執行達也社長は、「米国には携帯事業者が中古業者の依頼に基づいて代金支払い済みiPhoneのSIMロックを解除する取引ルートが存在する」と話す。買い取り時にSIMロックが解除されていない中古iPhoneでも、中古業者がSIMロックフリー機と同じ高値で買い取れるため、利用者にもメリットが大きい。