KDDI(au)は2017年5月30日、スマホの夏モデル発表会を実施した。多くの家庭にスマホが浸透したことを受け、スマホとIoTデバイスで室内の監視や防犯が月額490円で利用できる家庭向けIoTサービス「au HOME」を開始するのが目玉。ネットワークカメラやドアの開閉センサーなどの機器をスマホ本体のような分割払いで購入できる仕組みも用意し、導入の敷居を下げた。

 スマホの新機種は、落としても壊れにくい京セラのタフネスモデル「TORQUE」など、auが独占販売するモデルを多く用意し、他社との差異化を図る。NTTドコモが発表した「docomo with」に対抗する新料金プランは発表されなかったが、田中孝司社長は「ガツンとした内容の新プランを検討中」とコメントし、近い将来投入することを表明した。

KDDIが夏の新製品を発表。スマホは他社にはない製品を中心に投入。一方、手軽に導入できるIoTデバイスを発売するのが目玉だ
KDDIが夏の新製品を発表。スマホは他社にはない製品を中心に投入。一方、手軽に導入できるIoTデバイスを発売するのが目玉だ

見守り&安心用途のIoTデバイスを投入、スマホ本体のような分割払いにも対応

 7月下旬以降に提供開始する「au HOME」は、ITの知識がない人でも手軽に導入できることを売りにした家庭向けのIoTサービス。月々の利用料金を490円に抑えつつ(複数のIoT機器を導入しても利用料金は一定)、auのサポート体制や有料での訪問設置サービスを充実させ、導入しやすくした。対応のIoT機器はauの通販サイト「au WALLET Market」で購入できる。

 7月下旬のサービス開始時は、おもに防犯や安心、見守りに役立つIoTデバイスを発売する。窓の開閉状況や開閉履歴がスマホでチェックできる「開閉センサー」(実売価格は3000円)、室内で人やペットが動いたかが分かる「マルチセンサー」(実売価格は5300円)、玄関ドアのカギの開閉状況が分かる「鍵開閉状況センサー」(実売価格は8800円)、室内の状況をカメラで確認して会話もできる「ネットワークカメラ」(実売価格は1万800円)などを用意した。

家庭向けIoTサービス「au HOME」向けに投入するIoTデバイスの第一弾製品。防犯や安心、見守りに役立つ機器を中心にラインアップする
家庭向けIoTサービス「au HOME」向けに投入するIoTデバイスの第一弾製品。防犯や安心、見守りに役立つ機器を中心にラインアップする
ネットワークカメラ(左端)はマイクも内蔵しており、外にいる保護者がスマホで子どもと会話できる
ネットワークカメラ(左端)はマイクも内蔵しており、外にいる保護者がスマホで子どもと会話できる
玄関扉のサムターンの隣に設置し、鍵の開閉の状況を検知して通知するIoTデバイス。サムターンの形状や大きさがまちまちで、個別に対応するのが難しいため、鍵を遠隔で操作する機能は搭載しなかったとのこと
玄関扉のサムターンの隣に設置し、鍵の開閉の状況を検知して通知するIoTデバイス。サムターンの形状や大きさがまちまちで、個別に対応するのが難しいため、鍵を遠隔で操作する機能は搭載しなかったとのこと
赤外線センサーでペットや人物の動きを検知するマルチセンサー。いつ動きを検知したかの履歴も記録できる
赤外線センサーでペットや人物の動きを検知するマルチセンサー。いつ動きを検知したかの履歴も記録できる

 秋以降は、コンセントとプラグの間に挟み込むことで利用電力量がチェックできる「スマートプラグ」や、自宅のエアコンやテレビなどの家電製品をスマホから操作できる「赤外線リモコン」などのIoT機器を追加投入する(いずれも価格は未定)。

秋以降に投入する予定のIoTデバイス。自宅の機器を制御するといった高度な機能を持つものが多い
秋以降に投入する予定のIoTデバイス。自宅の機器を制御するといった高度な機能を持つものが多い
接続した機器の利用電力量がチェックできるスマートプラグ
接続した機器の利用電力量がチェックできるスマートプラグ
室内の空気の質をチェックできる空気モニターもラインアップする
室内の空気の質をチェックできる空気モニターもラインアップする

 au HOMEを導入するには、月額490円の基本プランに加えて、前述のIoTデバイスのなかから必要なものをユーザー自身が選んで購入する必要がある。導入の敷居を下げるため、ネットワークカメラとマルチセンサーを24回の分割払いにし、基本料金と合わせて月額980円で利用できる「おすすめセットプラン」も用意する。

 au HOMEの利用には、KDDIの光固定回線「auひかり」の契約が必要だが、将来的にはauひかり以外の回線でも利用できるようにするという。

au HOMEを利用するには、auひかりのホームゲートウェイにUSBメモリーのような無線通信アダプター(代金は基本使用料に含まれる)を接続すればよい
au HOMEを利用するには、auひかりのホームゲートウェイにUSBメモリーのような無線通信アダプター(代金は基本使用料に含まれる)を接続すればよい

スマホ夏モデルはau独自モデルを中心に展開

 スマホ本体は、NTTドコモやソフトバンクも取り扱うサムスン電子の「Galaxy S8/S8+」やソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia XZs」などの高性能モデルをラインアップしつつ、NTTドコモにはない個性派のモデルを充実させた。

狭額縁デザインを採用したサムスン電子の「Galaxy S8/S8+」
狭額縁デザインを採用したサムスン電子の「Galaxy S8/S8+」
メモリー積層型のCMOSセンサーを搭載したカメラ機能を特徴とするソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia XZs」
メモリー積層型のCMOSセンサーを搭載したカメラ機能を特徴とするソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia XZs」

 京セラの「TORQUE」は、高さ1.8mからコンクリートに落としたり海水に入れても故障を防げるタフネスモデル。背面のカメラはアクションカムとして利用できるよう工夫し、速度や高度などのデータを重ねて動画に記録できるようにした。

京セラの「TORQUE」。手に持った状態からコンクリートに落としてもパネルの破損を防げる耐衝撃構造が特徴だ
京セラの「TORQUE」。手に持った状態からコンクリートに落としてもパネルの破損を防げる耐衝撃構造が特徴だ
防水ウエアのブランド「HELLY HANSEN」とのコラボレーションモデルも300台限定で販売する
防水ウエアのブランド「HELLY HANSEN」とのコラボレーションモデルも300台限定で販売する

 htcの「htc U11」は、本体側面を握ることでカメラの自撮り機能などが起動できるエッジ・センス機能を搭載した高性能モデル。ノイズキャンセリング機能に対応したハイレゾ対応イヤホンが標準で付属する。

htcの高性能モデル「htc U11」。ソフトバンクも取り扱うと発表しており、au独占販売とはならなかった
htcの高性能モデル「htc U11」。ソフトバンクも取り扱うと発表しており、au独占販売とはならなかった
本体側面をギュッと握ることで特定の機能を呼び出すエッジ・センス機能を搭載したのが特徴。カメラの自撮り機能などが簡単に起動できる
本体側面をギュッと握ることで特定の機能を呼び出すエッジ・センス機能を搭載したのが特徴。カメラの自撮り機能などが簡単に起動できる

 シャープの「AQUOS R」は、120Hzで駆動するハイスピード液晶パネルを搭載したモデル。人工知能「エモパー」によりユーザーの顔を認識し、ユーザーのいる方向に端末を振り向かせる自動回転式の充電台「ロボクル」も標準で付属する。

シャープの「AQUOS R」。au版は、自動回転式の充電台「ロボクル」が標準で付属するのが特徴
シャープの「AQUOS R」。au版は、自動回転式の充電台「ロボクル」が標準で付属するのが特徴

(文/磯 修=日経トレンディネット)

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