コンパクトデジカメは、薄型軽量ボディーに30倍クラスの高倍率のズームレンズを搭載した「スリム高倍率ズームデジカメ」と、1型以上の大型センサーを搭載しながらボディーを小型軽量に仕上げた「高級コンパクトデジカメ」が売れ筋だ。前者は、スマホでは不可能な望遠撮影が手のひらサイズのカメラで手軽にできることが、後者はデジタル一眼並みの高画質な撮影ができることが評価されている。

 だが、「1型センサーと高倍率ズームレンズを搭載しつつ、ボディーは薄型でコンパクト」という、それぞれの特徴を兼ね備えた機種は長らく登場してこなかった。大型センサーを搭載しつつレンズのズーム倍率を高めると、レンズユニットがかなり大きくなってしまうからだ。薄さや小ささを追求したスリムデジカメの場合、「ズーム倍率を優先するか」「画質を優先するか」という二者択一の状況になっていた。

 そのようななか、先の3つの要素をすべて合わせ持った製品がこの春に登場し、話題を呼んでいる。パナソニックの「LUMIX DMC-TX1」だ。画質にもズーム性能にも携帯性にも妥協しなくてよい「デジカメの理想形」ともいえる意欲作は、写真ファンの期待に応えられる実力を持っているのだろうか?

パナソニックが3月に発売した「LUMIX DMC-TX1」(右)。1型の大型センサーと光学10倍ズームを搭載しながら、1/2.3型センサー搭載モデル(左)並みの薄型軽量ボディーに仕上げたのが魅力だ
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