パソコンと同じことはできないが……

 このように、iPad Proは非常に便利な端末であり、筆者としてはぜひ購入をおすすめしたいところだが、そのとき問題になるのはコストだろう。

 筆者が購入したのは128GBのWi-Fiモデル。このモデルの場合、本体の価格が8万4800円(以下、いずれも税別)だ。それに加えてApple Pencilが1万1800円、Smart Keyboardは1万6800円で、合計11万3400円となる。さらに、背面用カバー付きのシリコーンケース(8800円)を追加すると、購入価格は12万2200円。もはや、一般的なノートパソコンが買えてしまう価格だ。

iPad Proとアクセサリーを揃えると、MacBook Airを上回る価格になる。しかし、iPad Proは価格以上の利便性がある
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 iPadがパソコンの代わりとして使えるかと聞かれると、「Yes」とはいえない。例えば、筆者はiOSアプリの開発をしているが、これはiPadではできない。また、プライベートで使っているパソコン用アプリをiPadで使うことも不可能。音楽CDの楽曲データを読み込み、iPadで再生することも難しい。そういったことまでiPadでやろうとすると、かなり無理がある。

 しかし、ネットサーフィンやショッピング、メールチェック、動画鑑賞程度なら、特に問題なくiPad Proでまかなえる。それどころか、ノートパソコンより手軽に扱えるぶん、使いやすい。

 起動ひとつ考えても、iPad Proのほうが便利だ。セキュリティの関係上、ノートパソコンはパスワードを入力しなければならないが、iPad Proは指紋認証だけですぐに起動する。

 また「ダウンロードしておいた映画を観よう」と思い立った瞬間から、実際に見るまでの時間は、iPad Proの場合はすぐ見られるが、ノートパソコンだとあれやこれやで操作に時間がかかってしまう。起動の手間が面倒でパソコンでは映画を見ることを諦めてしまう筆者のような面倒くさがり屋にとって、手に取ればすぐに使えるiPad Proはとても魅力だ。

「ショートカット」操作もできる

 一方、iPad Proでは純正キーボードが用意されたのも、パソコンを上回るようになった要因のひとつだ。例えば「メールの返事を返しておこう!」と思いついたときすぐに作業できるのは、手元にiPad ProやSmart Keyboardがあるからだ。今では、起動に時間がかかるパソコンをわざわざ使ってまでメールの返事を返そうとは思わなくなった。

 使い始めてからわかったことだが、iOSで対応している、キーボードを使ってパソコン的に操作する「キーボードショートカット」も便利だ。特にSafariのキーボードショートカットは筆者のお気に入りで、タブの切り替えやスクロール、印刷画面の表示などの操作は、タップではなくキーボードで操作している。操作のたびにiPadを持ち直したり、手の位置を変える必要がなくなった。

 これだけの操作ができるのだから、もう自宅でパソコンを開く必要はない。もし筆者が自宅でアプリ開発をしなければならなくなったら、そのときだけはやむなくパソコンを起動するだろうが、それ以外でパソコンの電源を入れることはないだろう。

(文/村瀬浩司)