YouTube再生時の速度は全体的に低下

 では、一番速かったのはどの格安SIMなのだろう。今回も前回に続き、実際の利用環境を反映するべくYouTube再生時の平均速度を基にランキングにした。

総合順位ランキング・ベスト3
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総合順位ランキング・8社の下り平均速度グラフ
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 8社全体の下り平均速度は、YouTube再生時が4.68Mbps、速度測定アプリの下り平均速度が5.95Mbpsだ。YouTube再生時が5.20Mbps、速度測定アプリが4.89Mbpsだった前回2月と比べると、ネットワークのポテンシャルを示す速度測定アプリの結果は向上している一方、実際の利用環境の例であるYouTube再生時の速度は低下しているようだ。春商戦でユーザーが増加したためだろうか。

 YouTube再生時の下り平均速度によるランキングは、前回2位のOCN モバイル ONEが7.40Mbpsで2017年10月以来の1位に。前回の6.24Mbpsから1Mbps以上速くなった。2位は5.85Mbpsのmineo。3位は5.21MbpsのLINEモバイルだ。mineoが4位だった2017年10月を除き、両回線はトップ3の常連となっている。

YouTube再生時の下り平均速度・時間帯別推移
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 時間帯別にYouTube下り平均速度をチェックしてみると、トップ3のOCN モバイル ONE、mineo、LINEモバイルは、速度が落ちる12時台でも踏みとどまっているのが分かる。BIGLOBEモバイルとnuroモバイルは12時台に2Mbps台まで落ちるが、18時台の速度はトップの3回線に迫っている。IIJmio、楽天モバイル、イオンモバイルの3回線は9時台こそ良好なものの、12時台と18時台は低下した速度が回復しないままだ。

 なお、YouTube再生時の平均速度が前回の半分ほどにまで遅くなってしまったIIJmioモバイルサービスについてコメントを求めたところ、春商戦におけるユーザー数の増加はほぼ予想通りで、これに基づいた設備増強を実施してきたという。

 ところが、本連載で測定に用いているタイプDにおいて「実際に通信をしている端末数が想定を超えて増加」(IIJ担当者)しており、結果として増えた通信の需要に対応しきれず、速度の低下が顕著になったようだ。新規ユーザーだけでなく既存のユーザーによる通信も急に増えたものと想定しているそうだが、理由は分からないという。

 これを受けて、IIJでは予算的に可能な限りの設備増強を4月後半に実施。5月以降も当初の予定を上回る規模の増強が予定されている。

 日経トレンディネットでは、今後も定期的に通信速度をチェックし、格安SIMサービスの実態を明らかにしていきたい。

(文/松村武宏)