「乗り換えたらメールが届かなくなった」

 1つ目は、提供されているサービスの違いだ。

 そもそも格安スマホ・格安SIMとは、大手携帯電話会社のネットワークを借り受けた通信会社によるサービス。大手携帯電話会社とは別の会社なので、提供するサービスの内容も異なる。

 その一例が、キャリアメールの有無だ。大手携帯電話会社のスマホでは、「○○○@docomo.ne.jp」「△△△@ezweb.ne.jp」「□□□@softbank.ne.jp」などのメールアドレスが発行され、「キャリアメール」として利用できる。

 ところが、キャリアメールは大手携帯電話会社独自のサービスなので、格安スマホ・格安SIMを提供する通信会社では使えない。乗り換え後にメールを送受信するには、GmailやYahoo!メールといったフリーメールや、契約した通信会社が独自に提供するメールアドレスなどを利用することになる。

 だが、メールを送りたい相手がキャリアメールを使っていて迷惑メールの受信を拒否していると、キャリアメール以外のメールを受け取ってもらえない場合がある。国民生活センターの事例では「格安スマホに乗り換えたところ、メールが届かなくなった」という相談が寄せられている。

「電話窓口がつながりにくい」

 2つ目は、サポート体制の違いだ。

 大手携帯電話会社は、いずれも日本全国に実店舗を構えている。スマホの操作や契約について何か困ったことがあっても、ショップに行けばスタッフが対面で応じてくれるという安心感がある。

 これに対し、格安スマホ・格安SIMを提供する通信会社では、実店舗を構えていないところが多い。契約後に困ったことがあれば電話窓口やメールなどで相談することになるのだが、電話がつながったり、メールの返事が来たりするのを待たされることもある。実際に、国民生活センターからは、電話窓口のつながりにくさを訴えた相談事例も報告されている。

 また、端末が故障したときの対応にも違いがある。大手携帯電話会社の場合、故障した端末を預けている間、貸出機を借りて急場をしのぐことができる。

 一方、格安SIMや格安スマホの場合、修理に対応する保証オプションは定着してきたものの、修理中に貸出機を提供する通信会社はごく一部に限られる。国民生活センターでも、修理期間中に手元からスマホがなくなってしまうことについて相談を受けた事例を公表している。

「格安SIMが使えないスマホだった」

 3つ目は、格安SIMと利用するスマホ端末の組み合わせだ。

 SIMカードだけを契約する格安SIMでは「大手携帯電話会社で購入したスマホを乗り換え後も使い続けられる」とアピールしている。ここで問題になるのが、端末のSIMロックだ。

 大手携帯電話会社のスマホには、購入した通信会社でしか使えないようにSIMロックが掛けられている。別の通信会社のネットワークを借りている格安SIMに乗り換えるにはロックを解除しなければならないが、解除できるのはSIMロックの解除が義務化された2015年5月以降に販売された機種に限られる。

 国民生活センターでは「格安SIMの通信会社に問い合わせた際、現在の通信会社名と機種名を伝えたところ『使える』と案内されたため乗り換えたが、実際にはSIMロック解除非対応の機種であったために使用できなかった」というユーザーからの相談事例が報告されている。

 また、大手携帯電話会社が販売するスマホは、取り扱う通信会社のネットワークに最適化していることが多い。そのため、たとえSIMロックを解除しても、別の通信会社のネットワーク環境下では電波状況が悪かったり、常に圏外になったりすることもあり得る。この点にも注意が必要だ。

 市場に流通する中古スマホのなかには、もともとの購入者が代金の全額または一部を不払いのままで売却した端末が、まれに存在する。「インターネットで購入した端末の修理を依頼したところ、未払いの代金を支払うまで受け付けられないと断られた」という事例も国民生活センターから報告されている。