(左)日本エイサーの「PAWBO Flash」(右)パナソニックの屋内スイングカメラキット「KX-HC600K-W」
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 拡大を続けるペット関連市場。最近注目されているのがペット用の見守りカメラだ。家庭内セキュリティー用のネットワークカメラを販売するパナソニックの調査によると、約50%のユーザーがカメラを使ってペットの様子を観察しているという。そこで今回は、セキュリティー用カメラだがペットにも使えることをうたうパナソニックの「屋内スイングカメラキット KX─HC600K」(以下、パナソニック)と、ペット向けに開発された日本エイサーの「PAWBO Flash」(以下、エイサー)を比較した。

 カメラの画素数は、パナソニックが30万画素と一般的な防犯カメラと同等。画質は高くなく、あくまでも「留守宅の様子を確認する」というレベルだ。対するエイサーは100万画素。ペットの表情や様子はパナソニックよりもよくわかる。

両者とも無線LANでネットに接続して使う
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 カメラの撮影範囲はパナソニックが圧倒的だ。前出のアンケート調査では、ペットの様子を見るために「カメラに首振り機能を追加してほしい」という要望が多かったという。そうしたリクエストに応え、左右360度、上下90度の範囲でカメラを動かせる首振り機能を搭載している。一方、エイサーの視野角は130度だが、カメラを上下左右に動かす首振り機能はない。家中を動き回るペットの様子を確認するにはパナソニックが向いている。

画質はエイサー、視野はパナソニックが有利
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カメラ画質に優れるエイサー、パナは360度を見渡せる
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 パナソニックはカメラと「ホームユニット」の2台で構成。ホームユニットにはカメラを最大4台まで接続できるため、別売りのカメラを買い足せば、さらに別の部屋も同時に観察できる。また、温度センサーや音センサーの他、動体検知機能も搭載するため、ペットがカメラの前を横切ったときに写真や動画を自動的に記録することも可能だ。呼び声などを事前に登録しておけば、遠隔でペットを呼ぶこともできる。

 一方、エイサーはセンサーや自動録画機能はないが、ペットの気を引く独自の機能を搭載。特にユニークなのがレーザーポインターを床に照射して猫の気を引いたり、ビニール袋をくしゃくしゃにするような猫が好む音を鳴らせること。本体内にセットしておいた餌を遠隔操作でペットに与えることもできる。

 実際に猫で試してみた。猫は思い通りにカメラの前には来なかったが、パナソニックはスマホからカメラを動かせるため、居場所をすぐに見つけられた。反対に、エイサーは猫がカメラの視野に入らないと様子が何もわからないことがストレスに。しかし、スマホで遠隔操作できるレーザーポインターが気になったようで、猫がカメラの前に出てきて赤い光を目で追っていた。また、本体内にセットした餌も効果的で、カメラの前で次の餌が出るのをじっと待ち続けていた。

エイサーはレーザーポインターの他、餌を1つずつ放出する機能を搭載。レーザーに加えて、オプションで「パウボキャッチ」(実勢価格4980円・税込み)を用意する
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 飼っているペットが猫で、まだ若く、遊び盛りならエイサーが楽しい。カメラの映像を見ながらレーザーポインターや餌で留守宅の猫と遊べるのは他にない魅力だ。しかし、成猫や犬をカメラの前に誘い出すことはなかなか難しいだろう。一方、カメラを動かせるパナソニックなら能動的にペットを探して様子を観察できる。動体検知機能を使えば、普段は見られない留守番中の様子を見られるのも面白い。30万画素という画質が弱点だが、周りを見渡してペットをすぐに見つけられるパナソニックは、多くの人に薦められるネットワークカメラといえる。

結論:ペットにもセキュリティーにも汎用性に優れるパナソニック
 外出先から、自宅にいる猫と遠隔で遊ぶならエイサーだ。しかし、ペットの様子を見守ることを優先するのなら、回転カメラや各種センサーを搭載するパナが選択肢になる。窓の開閉センサーなどのオプションを追加して、ホームセキュリティに役立つのも利点だ

(文/コヤマタカヒロ=ライター)

※日経トレンディ2017年12月号の記事を再構成