「どの国の子どもも探求心に満ち、好奇心の塊」と話すレズニック氏。サイト上でも対面での講習会でも、大人の介入は極力抑え、子どもたちが自ら学び、発信することを重視する。「大人と子ども、という区別は必要ない。全ての人が、Scratchを通じて学び合える」と考えているからだ。実際、子どもたちはレズニック氏自身も予想しなかった方法でScratchを使いこなし、多様な作品を生み出している。その創造性に、逆に大人が教えられることも少なくないという。「彼らの作品を見ていると、我々も新しい挑戦をしなければならないと常に思わされる」。

 Scratchには、今後もさまざまな機能追加を予定している。例えば、センサーなどを使って実世界の機器を制御できるようにしたいという。学校の授業で利用しやすいように、教員向けの資料も充実させる。8歳未満の子どもでも使える「ScratchJr」の開発も進行中(2014年に公開済み)。レズニック氏の新たな挑戦は、まだまだ続きそうだ。

子どもたちの間では、Scratchの学習熱が高まっている。左は、国内で最も大規模なScratchのイベント「Scratch Day 2013 in Tokyo」(2013年5月開催)。右は、2013年8月に開催された、Scratchをテーマにしたプログラミングの講習会(ワークショップ)だ。いずれも、多くの子どもたちが参加した
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2013年7月には、日本語によるScratchの解説書が発行された。レズニック氏が序文を寄せている
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(八木 玲子=日経パソコン)