サムスン電子は2017年3月29日(米国時間)、スマートフォン(スマホ)の新機種「Galaxy S8」「Galaxy S8+」を発表した。2016年に発生した「Galaxy Note 7」の発火事故でブランドイメージを損ねてしまったサムスンだが、それを挽回するための施策として、新機種ではどのような点に力が入れられたのだろうか。発表会で明かされた内容から確認してみたい。

狭額縁ディスプレーでスマートフォンの形を変える

 今回サムスン電子が発表した「Galaxy S8」「Galaxy S8+」は、日本で発売されている現行機種「Galaxy S7 edge」の次世代のフラッグシップモデルと位置づけられる主力モデルだ。

3月末のイベントで発表されたサムスン電子のフラッグシップスマホ「Galaxy S8/S8+」。写真は、6.2型の大きな有機ELディスプレーを備えるGalaxy S8+だ
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 だが、サムスンといえば、2016年に発表したもう1つのフラッグシップモデル「Galaxy Note 7」が相次いで発火事故を起こしたことで大きな社会問題となり、同モデルを販売していなかった日本でも大きく報道された。サムスン側が欠陥を認めてGalaxy Note 7は全世界で販売が中止となり、サムスンのブランドイメージを大きく落としてしまったことは記憶に新しい。その影響からか、例年であれば2月にスペイン・バルセロナで開かれるスマホ展示会「MWC」に合わせて実施する「Galaxy S」シリーズの新機種発表会を、今年は断腸の思いで延期することとなった。

 舞台を米ニューヨークに移し、満を持して3月29日に新機種「Galaxy S8」「Galaxy S8+」の発表会を実施したのだが、その内容はGalaxy Note 7で損なった信頼を回復するべく、とても力の入った発表内容となっていた。

ニューヨークのタイムズスクエアでは、サムスンがGalaxy S8/S8+の広告ジャックを実施。力の入れ具合が見て取れる
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 今回のGalaxy S8/S8+を発表するにあたり、サムスンがキャッチフレーズとして掲げていたのが「Unbox your phone」。直訳すると「あなたの携帯電話を箱から取り除く」という意味になるのだが、この言葉がこそがGalaxy S8/S8+の特徴を強く打ち出したものとなっている。

 その特徴とは、前機種「Galaxy S7 edge」でおなじみのデュアルエッジスクリーンに加え、スマホの「箱」となるベゼル部分を極限まで縮小することにより、本体前面をほぼディスプレーが占める斬新な「インフィニティディスプレイ」の採用だ。Galaxy S8は5.8型、Galaxy S8+は6.2型とかなり大きい画面サイズながら、従来よりも縦長の18.5:9という比率を採用することで、持ちやすさも両立している。

Galaxy S8/S8+の最大の特徴として強く打ち出されたのは、ベゼルを極限まで小さくし、さらに縦長の画面比率を採用した「インフィニティディスプレイ」であった
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 発表会場でも、インフィニティディスプレイを採用した新しいデザインであることが強調されていた。プレゼンテーションでは、1980年代のストレート型端末、1990年代のフリップ(折り畳み)型端末、そして現在に続く大型タッチパネルを主体としたスマホといった過去の携帯電話のデザインを振り返りつつ、2017年の新しいスマホのデザインの定義として“ベゼルレス”スタイルのGalaxy S8/S8+を発表。スマホの草創期から市場のけん引役を務めてきたサムスンだけに、新しいスマホの形を再びみずから定義付けたい、という強い意気込みが見て取れた。

発表会の会場には、歴代の携帯電話のデザインが並んでいた。サムスンは、Galaxy S8/S8+でこれらに続く新しい携帯電話の形を作り出したいとしている
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