2018年3月時点で、日本を含む190の国と地域で展開し、1億1700万人のメンバー(有料会員)が登録している動画配信サービス、Netflix。同社が力を入れているのが日本のアニメの世界配信だ。2015年に日本でサービスを開始する前後から、国内のアニメ制作会社などと接触。既存のアニメ作品はもちろん、独占配信するオリジナル作品の拡充も進めてきた。

 現在、Netflixで配信中のアニメ作品には、名だたるアニメ制作会社、アニメ監督の作品が並ぶ。CGアニメで国内外に知られるポリゴン・ピクチュアズ制作の『シドニアの騎士』、プロダクション・アイジーと石森プロが製作、神山健治氏が総監督を務めた『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』(COJ)、『夜明け告げるルーのうた』でアヌシー国際アニメーション映画祭2017の長編部門クリスタル賞(最高賞)、『夜は短し歩けよ乙女』で第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞した湯浅政明氏が監督した『DEVILMAN crybaby』などだ。中には、従来の地上波や映画では放映できないような、放送コードギリギリの実験的な作品もある。

 2018年1月31日には、Netflixとプロダクション・アイジー、ボンズがアニメ作品の包括的業務提携契約を締結。Netflixはアニメに注力する姿勢を一層鮮明にした。3月には、プロダクション・アイジーが『B:The Beginning』、ボンズが『A.I.C.O. Incarnation』という完全オリジナルアニメーションのNetflix独占配信を開始。『B:The Beginning』はクエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル』でアニメパートの監督を務めた中澤一登氏、『A.I.C.O. Incarnation』はヒット作『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』の監督などで知られる村田和也氏の作品で、いずれも国内外のファンにアピールする。

 Netflixがアニメに注力する理由は何なのか。今回の業務提携の狙いは何か。日本のアニメ制作会社にとって、Netflixと手を組むことはどんなメリットや影響があるのか。

 名実ともに日本を代表するアニメ制作会社で、『COJ』『B:The Beginning』という2本の作品をNetflixで配信しているプロダクション・アイジーの石川光久社長と、Netflixでコンテンツアクイジションアニメ ディレクターを務める沖浦泰斗氏に話を聞いた。

プロダクション・アイジーの石川光久社長(右)とNetflixでコンテンツアクイジションアニメ ディレクターを務める沖浦泰斗氏
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