日本市場のニーズにどう応える?

 キャリア向けにスマートフォンを提供する上では、日本独自のカスタマイズを求められる可能性もある。最近では海外と共通の仕様で発売される製品も増えつつあるとはいえ、日本国内では防水やFeliCaなどのニーズが非常に高いからだ。

 そうした日本市場向けのカスタマイズについて、プロダクトマネージャーのリッスン氏は「中国国内でもNFCに類するサービスに対応した機種を出したことがあるし、防水機能も2015年から研究し、技術面での準備を整えている。キャリアの需要があれば、プロダクトに実装していきたい」と、前向きな姿勢を示している。

プロダクトマネージャーを務めるリッスン氏
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 またOPPOは、主として中国に向けたミドルハイクラスの「R」シリーズや、東南アジアなど新興国に向けたミドルクラスの「F」シリーズなどいくつかの機種を用意しているが、ハイエンドから低価格まで幅広いラインアップを持つファーウェイなどと比べると、その幅は狭い。キャリアや消費者のニーズにマッチした製品をそろえるという点でも不利に見える。

 これに対し、リッスン氏は「我々は各国のローカル市場とコミュニケーションを取り、製品開発を進めている」と主張。格安なモデルは消費者と相性が良くないと考えてあえて投入していないそうだが、ハイエンドモデルに関しては「研究開発で優れた技術を持っている。消費者のニーズに応じて出していきたい」(リッスン氏)とのこと。今後投入される可能性があるようだ。

OPPOのラインアップの1つ、ミドルハイクラスの「R」シリーズ。3月には中国で、iPhone X風の切り欠きや、ARによるエフェクトなどを備えた新機種「R15」を投入している
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もう1つの主要製品が新興国向けの「F」シリーズ。ビューティー機能などOPPOのカメラ機能の特徴を生かしながら、より購入しやすい価格を実現している
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 さらにもう1つ、日本市場に進出する上で大きな課題が、海外ほどセルフィーの人気が高くないことだ。確かに最近では、日本でも若い女性にセルフィーに熱心な傾向が見られるようになったが、やはりターゲットが限定される印象は否めない。

 この点については、「フロントカメラだけでなく、メインカメラも含めて『カメラフォン』と呼んでいる」とリッスン氏は答えている。セルフィーはOPPOの大きな特徴ではあるものの、撮影する場所の明るさに応じて使用するカメラを切り替える、R11sのデュアルカメラ機構なども、OPPO独自の技術特許だとのことで、フロントカメラにとどまらないカメラ技術の優位性に自信を示した。

 OPPOは2000年代に設立し、1990年代生まれの社員が全体の44%を占めるなど、会社も社員も非常に若い。しかも新興国の若者をターゲットにして急成長するなど、勢いにもあふれている。だが、成熟しきった日本市場で、しかも若年層をターゲットとして成功するには、非常に多くの課題があるのも事実だ。ウォン氏は「数年後には日本市場の主要プレーヤーになりたい」というが、そのためには短期間で成果を求めるのではなく、時間をかけて日本市場への理解を深めることが重要になってくるだろう。

著 者

佐野 正弘(さの まさひろ)

 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

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