日本の子供たちが作り、ロンドンの子供たちが改良

――何度も来日され、子供たちを指導されました。日本の子供たちについてどのように感じましたか。

レズニック氏:これまで7~8回日本に来て、子供たちがScratchを学ぶところを見せてもらいました。日本語はわかりませんが、日本の子供たちも、世界の子供たちと同様に、体験することの好奇心に溢れています。

イベントで行われたScratchのワークショップ
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――子供たちの作品で印象に残っているものは。

レズニック氏:ひとつは、Scratchが生まれて間もない頃に作られた「Scratch News Network」です。できたばかりのScratchコミュニティの出来事をレポートしていました。最初は、私は「ワオ!ニュースのシミュレーションか。素晴らしいプロジェクトだ」と思いました。しかし、それはシミュレーションではなく、本物のニュースキャストでした。

子供たちは夢中でパソコンに向かった
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 また、ゲームの反応速度を記録するプロジェクトを作った子供がいました。このプロジェクトはそのうち、ユーザーの年齢や体重、スポーツ歴などの属性も収集し始めました。反射神経と他の要素が関係しているかどうか調べ始めたのです。その子供は世界規模の科学実験にScratchを使ったのです。

 どちらも、スタンドアロンではなく、コミュニティと関わっているからこそできたことです。

――日本の子供たちは英語が話せませんが、言葉を超えた交流が行われることはありますか。

レズニック氏:Scratchは当初から世界中の言語に対応してサポートすることが重要だと思っており、多言語に対応しやすいよう設計しました。現在、Scratchは50種の言語に対応しています。世界中から、阿部さんのようなボランティアが翻訳してくれているおかげです。

 そのため、日本の子供たちが日本でプロジェクトを作り、それをロンドンの子供たちが英語で改良するといったことが実際に起きています。

 ただ、これはまだ途中の段階だと思っています。サポートのための資料はもっと必要です。阿部さんの本のような入門書は重要です。