歴史的に見ても人類は今が一番幸福な時代

 日本だけでなく世界的にも、AIの話題になると、必ずディストピアな未来像が描かれる。AIに支配された世界や、仕事が奪われていくという脅し文句……。メディアの報道や取り上げ方、映画などのコンテンツの力は大きい。それを踏まえて、カーツワイル氏が投げかけたのは、瞬間的にそのときだけを見るのではなくて、長いスパンで“人類”を見るべきだということ。

 例えば、「この数世紀の間にたくさんのデモクラシーが起こり、洗練されてきました。これにより平和的に民主的な方向に進んでいます。バイオレンスや貧困、エネルギー効率も状況的には良くなり、識字率も今が一番高いです。人類を長いスパンで見ると、今が一番幸福な(ウェルビーイングな)時代です」と説明した。

 「どうしても恐怖や悪い面のほうが関心を得やすい性質を持っているため、AIやITの議論に関してもマイナスな面がクローズアップされてしまう」というのがカーツワイル氏の考え方である。

 「私は楽観主義者です」と言い、特にバイオテクノロジー、AR/VRやAIは、未来の明るい発展的な技術であることを主張した。

SXSWの中でも一番収容人数の多いコンベンションセンターBallroom Dが満員に。講演が始まる前から長蛇の列ができていた
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