私たちは生物学的な知性とそうではない知性とのハイブリッドになる

 自身が予測した未来のうち86%がすでに完了しているという話題から始まった講演では、オーディエンスの一番の関心事であるAIについて早速質問が投げかけられた。カーツワイル氏は、200万年前から起こった人類の脳の進化について触れ、大脳新皮質が人類に知性をもたらしたこととAIの今後の進化を照らし合わせて説明した。

 「言語、アート、音楽など、まさに“ヒューマニティー”をつかさどる脳の部分が進化したことによって、人間を人間たらしめ、地球上で比類ない進化をたどった。われわれ人間はもう一度それを再現します、つまりクラウド上に“合成新皮質“とも言えるものをつくるのです」と語り、私たち人間は本来の知性と人工的な知性のハイブリッドな存在になっていくという未来のビジョンを共有した。

 続けて「重いコンピューターを持ち歩いていたけれど、今やポケットにデバイスを入れて持ち歩く時代です。さらに体の中にセンサーを入れるような時代になってくるでしょう。AIは脳の拡張装置です。脳も体も拡張されるといった私のシナリオがもう現実に起こっています」とも。

 その一方で「AIをほかの惑星から来た侵略者として捉えるのではなく、自分たちをより良くスマートにするためのツールとして、主体的に捉え開発していくべきです」とも話した。