家電はまだまだ生活を便利に豊かにできる

 続いてパナソニックのブース。人々の日々の暮らしを新しい発想の家電で変えていこうというのが大きなテーマだ。同社が新規事業の創出を目指して始めた「Game Changer Catapult」活動から8つの事業アイデアを展示した。1年の準備期間を経て、ようやく展示にこぎつけたという。

 注目は「CaloRieco」(カロリエコ)で、おかずなどの具材や調理方法を短時間で識別して、カロリーや三大栄養素の含有量を計測する。糖尿病の患者の食事などカロリーや成分を管理する必要のある食事を作る人にとっては、喉から手が出るほど欲しい製品とのこと。現時点のプロトタイプは電子レンジほどの大きさだが、将来はさらなる小型化、あるいは電子レンジへの内蔵を検討しているようだ。また、日々の計測内容を蓄積して、その結果から推奨のレシピを提案するといったサービス事業の展開も視野に入れている。

「CaloRieco」は、料理を作った後で栄養素などが計測できるデバイス。現時点では電子レンジ程度の大きさで、電子レンジと同じように料理を入れて計測する
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計測結果の画面。カロリーと三大栄養素のバランスなどが分かる
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 お気に入りの洋服を洗浄から乾燥までしっかりケアできる専用デバイスが「MonStyle」(モンスティール)だ。専用デバイスは、お気に入りの洋服一着だけをハンガーにかけて洗浄するため、縦長のユニークな形状をしている。最大の特徴は大切な洋服を傷めないことに加えて、自分の好きな香りやUVカットといった機能を追加できること。その日の気分によってどのような香りや機能を追加するかを選ぶ楽しさを提供することで、洗濯が持っている“面倒な家事イメージ”を変えたいという。専用デバイスは家庭用を想定して開発しているが、ホテルに設置するなど、今後のビジネス展開を模索中のようだ。

MonStyleの専用デバイス。ハンガーにかけてお気に入りの一着のケアができる。縦長の独特の形状もユニークだ
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自分の好きな香りやUVカットといった機能を追加する成分が入ったパーツ。細長い形状で高級な文具を思わせるデザインが目を引く。これを専用モジュールにそのまま挿入して使う
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 「Bento@YourOffice」にも注目。これは既存の冷蔵庫に、スマホアプリなどで簡単に決済できるスマートペイ機能、登録した利用者だけが開け閉めができるスマートロック機能、庫内の温度などをモニタリングする機能の3つを追加できるソリューション。こうした機能を備える完成品としての冷蔵庫を作るのではなく、既存の冷蔵庫に追加できる“後付けモジュール”として開発したのは、早期の事業化を目指したためだという。既に、首都圏を中心にオフィス向けの弁当配送サービスを手掛けるAIVICKと提携し、実証実験を始めている。AIVICKのサービスでは、会員企業に弁当保管用の冷蔵庫を設置し、その冷蔵庫にBento@YourOfficeの機能を追加。弁当の予約受発注や決済、温度管理などに利用し、有効性の検証や仕様の確定に役立てる計画だ。とにかくスタートアップ並みに早期に事業化したいというのが関係者の意気込みだ。

Bento@YourOfficeの概念図。冷蔵庫に3つのモジュールを後付けにするのがポイント
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スマホアプリで注文したときに発行される2次元コードで支払いも簡単
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利用者だけが冷蔵庫のドアを開けられる。内部には温度などを測定するセンサーがある
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(文・写真/渡貫幹彦=日経トレンディネット)