使えるスマホに制限がある

 ビームフォーミングの仕組みについてより詳しく説明しよう。

 まず最初に、無線LANルーターがビームフォーミング用の通信を送信し、スマホ・タブレットなどの端末の応答からおおよその位置を把握する。無線LANルーターが端末の位置を把握したら、2つの電波を使い、端末の位置で電波が重なり合うように波長(ビーム)を形成(フォーミング)する。

 こうすることで、端末がある位置に適した電波を送信できるようになる。無線LANルーターはリアルタイムで端末の位置を把握しており、スマホ・タブレットなどの端末の位置が動く場合でも常に最適な電波が送信される。

 一方、ビームフォーミングはすべての無線LAN対応機器で使えるわけではない。無線LANルーターが端末の位置を把握するのにビームフォーミング専用の通信を使うため、無線LANルーターとスマホ・タブレット端末の両方がビームフォーミングに対応していないと利用できない。例えば端末側では、iPhone 7や6sなど最新のiPhoneや一部のAndroidスマホが対応している。

 一方、無線LANルーターの各メーカーは似たような独自機能を設けているところもある。例えばバッファローの「ビームフォーミングEX」は、無線LANルーターが通常の通信から端末の位置を把握し、端末の位置に向けて最適な電波を送る。端末の位置の推測方法が違うだけで、こちらもビームフォーミングに近い機能だ。

 バッファローの独自機能の場合、スマホ・タブレット端末はビームフォーミングに対応している必要がない。802.11n/aの1ストリームで接続する製品であれば、すべてのスマホ・タブレットで活用できるという。

独自機能を使って、対応端末を広げている無線LANルーターもある。画面はバッファローのウェブページより
[画像のクリックで拡大表示]

(文/田代祥吾)