複数の銀行口座やポイント、マイルなどの情報を1つの画面に集約して見せる家計簿サービスが、国内でも人気を集めている。ユーザーに代わり、サーバーが金融機関のサイトにログインして情報を収集。個別のサイトで残高や明細を確認する手間が省ける。

 なかでも人気サービスの「マネーツリー」は、その技術力がすでにメガバンクにも認められており、昨年には3大メガバンク系のベンチャーキャピタルからそろって出資を受けた。そしてこの春からは、ついにメガバンク「公認」のサービスとして、公式アプリ上で正式に採用される。

マネーツリーと連係した「一生通帳」機能。みずほダイレクトアプリ上で、4月以降に表示される(画面は開発中のもの)
[画像のクリックで拡大表示]

 みずほ銀行は2016年2月22日、「みずほダイレクトアプリ」上で4月をメドに、新サービス「一生通帳」を導入すると発表した。アプリやオンラインバンキングでは通常、入出金の履歴は過去3カ月分しか確認できないが、一生通帳の登録を済ませれば、3カ月以上前の履歴もさかのぼって確認できるようになる(登録を済ませた日の過去3カ月分以降の入出金履歴に限る)。半年前に振り込まれた額がいくらだったか、前年の同月にいくらの出費があったかなどを、簡単に見られるようになるのだ。

 提供にあたり、みずほ銀行はマネーツリーの「MT LINK」サービスを利用する。MT LINKは、ユーザーの代わりにID、パスワードを入力して情報を取得する、マネーツリーの核となる機能。一生通帳の取り組みは、メガバンクがベンチャーの技術を自行のサービスに取り込むという、いわゆるフィンテック(ファイナンス+テクノロジー)の分野でもまだ珍しい試みとなる。

 当初、ユーザーが確認できるのはみずほ銀行の口座の情報だけだが、同行は今後、ユーザーのニーズを見極めたうえで、銀行やクレジットカードなど他社の情報も順次取り込めるようにしていく計画だ。どれだけのユーザーに使われるのか、今後他行でも同様の動きが顕在化するのか、注目が集まる。

 今回、このサービスの開始に合わせて、編集部ではマネーツリーCEOのポール・チャップマン氏に独占インタビューを実施。同氏は、銀行に続きクレジットカードの分野でも、新たな展開の用意があることを示唆した。

ポール・チャップマン 76年生まれ、オーストラリア出身。約20年前に初来日、日本の高校と大学を経て、母国で初めて起業する。その後、人材紹介会社のIT部長などを経て、12年にマネーツリーを創業
[画像のクリックで拡大表示]