カシオ計算機が自撮りに特化したコンパクトデジカメ「EXILIM EX-FR100L」(以下、FR100L)を発表した。超広角レンズを搭載した同社のデジカメをインスタグラムの「脚長自撮り」に活用していた若い女性の斬新な発想をヒントに、既存のアウトドアレジャー用デジカメに美肌機能などを加えて自撮り用デジカメに仕立てた。全盛期の2割以下にまで市場が縮小したコンパクトデジカメ市場において、画質競争から脱却して自撮りの楽しさや目新しさで生き残りを図る。

カシオ計算機が3月17日に発売する自分撮りデジカメ「EXILIM EX-FR100L」。予想実売価格は5万円前後で、2000台の数量限定販売となる
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ワールドワイドのデジカメの販売金額推移グラフ。ピークの2007年と比べると、コンパクトデジカメは急激に縮小したことが分かる。レンズ交換式カメラを手がけていないカシオ計算機にとっては厳しい状況が続く
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アウトドア向けカメラで美しい自撮りをする女子に着目

 EX-FR100Lのベースとなったのが、登山などのアウトドアレジャー用に向けた防塵防滴&耐衝撃モデル「Outdoor Recorder EX-FR100」(以下、FR100)。カメラ部と液晶モニター部が分離する独自のセパレート構造と、デジカメでは屈指の超広角となる35mm判換算で16mm相当の単焦点レンズを備えるのが特徴。「バイクやカヌーなどに取り付けて自分と風景をワイドに写す」というアクティブな撮影用途での購買を狙ったカメラだった。だが、1万円台で買える低価格品が増えたアクションカムの牙城を崩せず、売れ行きはいまひとつだった。

カシオ計算機が2015年12月に発売した「Outdoor Recorder EX-FR100」。Outdoor Recorderという名称の通り、アクティブなアウトドアレジャーを記録するためのデジカメとして位置づけられていた
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EX-FR100は、カメラ部と本体が分離できるメリットを生かし、アウトドアレジャーで自分と風景をワイドに写し取れるというコンセプトで訴求
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多くのアクションカムのように防塵防滴構造や耐衝撃構造を採用しているので、自転車やバイクなど衝撃が加わるシーンでも問題なく利用できた
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FR100LのハードウエアはベースのFR100と変わりなく、ボディーカラーをピンク+ホワイトに変更したのが違い。レンズは35mm判換算で16mm相当の超広角タイプを採用する
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カメラ部と本体部はワンタッチで分離でき、カメラ部のみで撮影することも可能。それぞれにバッテリーを内蔵しており、2本のケーブルを使って両方を充電する手間がかかるのは欠点といえる
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 そのような状況でカシオ計算機が着目したのが、FR100を自撮りに使う女性が続々と登場し、インスタグラムに「#fr100」のタグを付けて投稿する若い女性が増えたこと。彼女たちは、顔をアップで写す単純な自撮りではなく、全身を入れつつ脚をスラッと長く見せる「脚長自撮り」をしていた。カメラ部を本体から離れた場所に置いて撮影でき、16mm相当の超広角レンズの特性で周辺部が引っ張られたような描写になるFR100の特徴を見事に生かし、自身をスリムに見せる撮り方をしていたのだ。背景をシンメトリー(左右対象)にするよう構図を作ったうえで自身を配置するなど、アート的に仕上げる女性も多かった。

「#fr100」のハッシュタグでインスタグラムを検索すると、FR100を使って撮影した全身自撮り写真が多く表示される。単に脚長効果を狙った写真のみならず、構図や色合いを工夫した写真も多い
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「#fr100」のハッシュタグを付けたインスタグラムの投稿は、2016年6月あたりから急増しているという
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