ソニービデオ&サウンドプロダクツとベンチャー投資会社のWiLが今年1月に共同で設立した新会社ambieが、同社最初の製品となるイヤホンを発表した。ソニービデオ&サウンドプロダクツの音響技術を中心に、他社や異業種の技術、アイデアなどを組み合わせ、これまでのソニーとは異なる市場の開拓を目指す。

 今回、ambieが発表したのは、耳に挟むアクセサリーのようなデザインのマイク付きイヤホン「sound earcuffs」(サウンドイヤカフ)。耳の穴(外耳道)をふさがずに、耳の内側の少し離れた位置から音を鳴らすため、外の会話やアナウンス音が聞こえつつも、イヤホンから流れる音楽も楽しめる。

ambieの耳を塞がず音を楽しむ新感覚のマイク付きイヤホン「sound earcuffs」。ケーブル部分にはスマホ用の通話マイクも搭載しており、スムーズに通話もできる
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2月9日に開催された発表会にはモデルや女優として活躍する、高橋メアリージュンさんと高橋ユウさんも登場。アクセサリーのように身につけて、音楽と会話を楽しめる感覚に驚いていた
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 製品企画や技術は、ambieで開発責任者、ディレクターを務める三原良太氏が、ソニービデオ&サウンドプロダクツ時代の社内企画ハッカソンで提案したもの。これを、新会社ambieで製品化した。2月9日から、Ron Herman、蔦谷家電、la kagu、CHALIE VICE、ambie storeなどで販売している。

sound earcuffsの販売価格は5940円(税込み)。カラーは6色を用意。一般的な家電量販店ではなく、Ron Herman、la kagu、蔦谷家電、CHALIE VICE、ambie storeといったライフスタイル系のセレクトショップやオンラインショップで取り扱う
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日常生活にBGMを添える、安全で使いやすいイヤホン

 何よりの特徴は耳をふさがずに外の音とイヤホンから流れる音楽の両方が同時に楽しめることだろう。近年のイヤホン市場は、低価格品から高価格帯のモデルまで、イヤホンを耳に深く挿入するカナル型が主流だ。だが、カナル型は外の音を遮断する構造で高音質を実現するため、装着時は周りの音がほとんど聞こえなくなってしまう。このため、通勤時や家事の際にイヤホンを装着していると、周りの人の声やアナウンス、チャイム音などに気づかないことが多い。

 この点、sound earcuffsならそういったシーンでも、周りの音をしっかりと聞き取れる。また、耳が小さい女性だとカナル型が大きくてうまく装着できないことも多いのだが、sound earcuffsは耳に挟むタイプなので問題なく装着しやすいという利点もある。

sound earcuffsは耳の外側のくぼんだあたりに、挟むようにして装着する
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一般的なイヤホンが耳のサイズに合わない女性でも装着しやすい。音は、sound earcuffsの耳の穴に近い部分から鳴る
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一般的なイヤホンと違い、周りの音と再生している音楽の両方がしっかりと聞こえる。周りの声や背後から近づいてくる自転車の音なども聞き取れるので、危険を察知して動きやすい
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 ただ、耳の穴に直接挿入しないイヤホンだと、音質や音漏れが気になるところだろう。sound earcuffsでは、イヤホン内部にソニー製ダイナミックドライバーを搭載し、この製品の肝となる導音管から、耳元に近くに指向性を持たせて音を出力している。この構造により音量や音の響きはしっかりと保っているということだ。筆者が試してみたところ、音漏れは一般的なイヤホンと同程度で、通常の使い方なら聞こえないレベルだった。

音を発するダイナミックドライバーは耳たぶ側にあり、音導管を通じて耳の穴に音を届ける。音導管の最短かつ最適な形状がこの製品の重要な部分となる
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 音質は高音から低音までくせがなく、耳を密閉しない分、聞き疲れが少ないようにも感じた。やや小さめの音で曲を流して、日常生活のBGMを楽しむのに最適なイヤホンといっていいだろう。スマホに接続してのマイク通話も、一般的なイヤホンマイクと比べて声の圧迫感が少なく自然に会話しやすかった。

 気をつけたいのは、耳への装着にややコツがいることだ。イヤーカフ、イヤーフックの取り付けになれた女性ならすぐに装着できるだろうが、慣れていない男性や耳の厚い人だと手間取るかもしれない。