【総評】楽天とIIJの違い、強みと弱みは?

 楽天モバイルのIIJmioに対するメリットのひとつは、月20GBまで・月30GBまでの大容量プランが選べるところだ。

 近年は若者を中心に、スマホで動画を視聴する時間が長くなる傾向にある。さらに最近では定額制の動画・音楽配信サービスも広がりを見せている。通信量が多い家族がいる場合、大容量プランという選択肢が用意されている楽天モバイルは心強い。

 格安スマホのラインアップが幅広いことも、楽天モバイルの特徴だ。性能が高いMate 9をはじめ、おサイフケータイや防水に対応するシャープや富士通のSIMフリースマホも取り扱う。IIJmioも多くのスマホをラインナップするものの、高性能な機種には乏しい。

 また、楽天モバイルには格安スマホ向けのシンプルな専用プラン「コミコミプラン」がある。選べるスマホはやや制限されるが、カメラ機能に優れたhonor 8をはじめとした9機種から選べる。基本料金・スマホの端末代・通話定額オプションの料金があらかじめセットになっているので、毎月支払う通信費を把握しやすいのもメリットだ。

 一方、楽天モバイルにはIIJmioに比べてデメリットもある。

 まず、通話定額オプションはIIJmioのほうが柔軟だ。楽天モバイルでは5分間の通話定額オプションを月額850円で提供しているが、IIJmioでは5分間の通話定額オプションを楽天モバイルよりも20円安い月額830円で契約できる。楽天モバイルにはない3分間の通話定額オプションも、IIJmioには月額600円で用意されている。

 また、家族同士で通話する場合、IIJmioの通話定額オプションでは無料時間が拡大する。5分間のオプションでは家族同士なら30分間、3分間のオプションでも10分間まで無料で通話できるのだ。さらに、無料時間を超えた分の通話料も、家族なら30秒当たり2円安い8円になる。こうした家族間通話の割引が提供されていない点は、楽天モバイルのデメリットと言える。

 通信量が少なかった月の月額料金が安くなる「エコプラン」の存在も、楽天モバイルにはないIIJmioならではの特徴だ。auのネットワークを利用するタイプAかつ、格安スマホ専用のプランではあるが、月3GBまでのプランで通信量が1GB未満だった場合、月額料金は400円安い1200円で済む。

「家族での利用」という視点で評価すると、楽天モバイルは音楽・動画の視聴で通信量が多くなりがちな家族に強い一方、通話が多い家族には弱いといえる。

 また、楽天市場のオンラインショッピングをよく利用する家庭にも、楽天スーパーポイントと連携する楽天モバイルはおすすめだ。ショッピングでたまったポイントを使って楽天モバイルの料金を支払ったり、楽天モバイルを利用することでポイントをためたりできる。

 格安スマホや格安SIMが難しそうに思って乗り換えに踏み切れないでいる家庭には、楽天モバイルのコミコミプランをおすすめしたい。大手携帯電話会社のように、通話定額オプションやスマホの端末代まで含めた毎月のコストが最初から明示されているので、気に入った機種や毎月の予算からプランを選びやすい。

 一方、あまり通信を利用しないライトユーザーが多い家庭は、通信量が少ない月は月額料金が割り引かれるIIJmioのエコプランや、より少ない通信容量の料金プランを選べる他社の格安SIMを選ぶといい。特にIIJmioでは家族同士の通話料金が大幅に安くなるので、音声通話を重視する家族にはIIJmioがおすすめだ。

(文/松村武宏)