変形キーボードを採用したキングジムのA5サイズノートパソコン「ポータブック XMC10」が2月12日に発売された。この製品を約2カ月使ってきたライターのジャイアン鈴木氏が、使い勝手や長所・短所についてのレビューをお届けする。

実売9万円前後の「ポータブック XMC10」
[画像のクリックで拡大表示]

 2015年12月8日に発表された、変形フルサイズキーボードを搭載したキングジムの超小型ノートパソコン「ポータブック XMC10」がついに2月12日に発売された。その奇抜な製品デザイン・コンセプトが一部から熱狂的に支持を集める一方で、実売9万円前後という価格や抑えめのスペックに落胆の声も目立っている。

 筆者は、発表会が開催された12月8日から、同社よりポータブックを長期借用して日常的に使ってきた。そこで、長期間付き合ってきたからこそ分かるポータブックの長所、短所、課題などについてレビューしていこう。

基本スペックは「Surface 3」とほぼ同じ

 本格的なレビューに入る前に、ポータブックの製品コンセプト、スペックなどについておさらいしておこう。

 ポータブックはフルサイズのキーボードを中央から折り畳み、A5の手帳とほぼ同じフットプリントで携帯できる超小型のWindows 10搭載ノートパソコンだ。ディスプレーは8インチ(1280×768ドット)と少々小ぶりではあるが、コンパクトボディーとフルサイズキーボードを両立させたことが本モデル最大の売りとなる。同コンセプトの製品として、同社のデジタルメモ「ポメラ」シリーズを思い出した人も多いことだろう。

フルサイズのキーボードは中央から半分に分かれて、そのままピッタリとボディーのフットプリント内に収まる。変形する際に、ボディー内部の構造部分や基板などが露出することはない
[画像のクリックで拡大表示]
キーボード折り畳み時のサイズは幅204×奥行き153mm。A5の手帳や小説のハードカバーなどとほぼ同じサイズだ
[画像のクリックで拡大表示]
厚み(高さ)は34mm。変形キーボード下の本体部分には、変形機構とパソコンを構成する主要パーツが収められているので、この厚みとなることは仕方ない
[画像のクリックで拡大表示]

 CPUは「Intel Atom x7-Z8700」(1.6〜2.4GHz、4コア4スレッド)、メモリーは2GBのLPDDR3-1600、ストレージは32GBのeMMCを採用している。この基本スペックは、マイクロソフトのWindows 10搭載タブレットパソコン「Surface 3」(2015年発売)と非常に似通っている。

■ポータブックとSurface 3のスペック比較
ポータブック Surface 3(Wi-Fiモデル)
CPU Intel Atom x7-Z8700(1.6〜2.4GHz、4コア4スレッド)
内部GPU Intel HD Graphics
メモリー 2GB LPDDR3-1600 2/4GB LPDDR3-1600
ストレージ 32GB eMMC 64/128GB eMMC
OS Windows 10 Home 64 ビット
ディスプレー 8インチ(1280×768ドット) 10.8インチ(1920×1280ドット)
サイズ・重量 204(W)×153(D)×34(H)mm・約830g 267(W)×187(D)×8.7(H)mm・約622g
連続動作時間 約5時間 約10時間
備考 キーボード変形機構搭載 タッチパネル搭載、デジタイザーペン対応、LTEモデル用意
価格 実売9万円前後 実売7万7000円〜


 両機種はまったく同じCPUが採用されており、メモリーとストレージは容量が異なるだけで、規格は同一だ。設計の違い、最適化の度合い、実際に使われているパーツが異なるので、当然まったく同じ性能とはならない。しかしポータブックの性能を想像するうえで、Surface 3のパフォーマンスは一定の目安にはなるだろう。