ここ数年、イヤホンやヘッドホン、携帯音楽プレーヤーを中心としたポータブルオーディオのブームが続いている。

 例えば、フジヤエービックが主催する世界中のヘッドホン・イヤホンなどが視聴できるイベント「ヘッドフォン祭」は約1万人前後の動員数を誇る。タイムマシンが主催する、2015年12月に開催されたポータブルオーディオの祭典「ポタフェス2015」は5万人を超えるファンを動員している。ブームは、一部のファン層を中心としたムーブメントではあるものの、着実に広がりつつある。

 近年の携帯音楽プレーヤーは、韓国アイリバーの高級ブランド「Astell & Kern」など海外メーカーの製品が主流だった。国内メーカーでは、2013年秋にソニーの「ウォークマン」がハイレゾ対応してから、専用プレーヤーで音楽を楽しむ流れが起きている。

 一方で、「ポータブルヘッドホンアンプ」も、英Chord Electronicsから「Mojo」が登場したことで再度注目を集めている。

英Chord Electronicsの注目ポータブルヘッドホンアンプ「Mojo」(6万8000円)
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ポータブルヘッドホンアンプって何?

 ポータブルヘッドホンアンプ(ポタアン)とは、スマホや携帯音楽プレーヤーと接続して音声を増幅する機器である。

 ポタアンは、プレーヤーのアナログ出力(ライン出力やヘッドホン出力)を増幅する「アナログヘッドホンアンプ」と、プレーヤーのデジタル出力(同軸デジタル出力、光デジタル出力、iOS機器のLightning端子などからの出力)デジタル信号をアナログ音声に変換して出力する「デジタルヘッドホンアンプ」の2つに大きく分かれる。

 アナログヘッドホンアンプはプレーヤーから出力される音声をアンプで増幅するため、プレーヤー自体の性能を超える高音質化は難しい。

 一方、デジタルヘッドホンアンプを使うと、出力された音はプレーヤー内の「DAC」(デジタル・アナログ・コンバーター:デジタル信号をアナログ信号=音声に変換するチップ)を経由しない。そのため、プレーヤー内のDACに比べて、より高品質なポタアン内のDACを通してアナログ音声に変換出力される。プレーヤー本体の音質よりもはるかに高音質な音楽を楽しむことができるというわけだ。