最新有機EL、3社の実力は?

 有機ELテレビ選びで最も肝要なのは、当然ながら画質だ。動画配信サービスなどで対応が進む4K映像を、有機ELのメリットを生かしてどれだけ緻密に再現できるか。さらに、意外に見落としがちなのが、地上デジタル放送などの2K映像の画質だ。4Kの実用放送は18年12月にようやくBS/110度CSで始まるものの、今後数年から10年程度は地デジが引き続き放送の中心になるとみられる。「ブルーレイディスクを含め、身の回りのコンテンツはいまだ2Kが多い」(ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba)。

 2K映像を4Kテレビに映し出すには、本来持っていない情報を補い、4K相当の解像度で映像を出力する「アップコンバート」の技術が求められる。ここでカギになるのが、映像処理エンジン。現在売っている有機ELテレビはすべてLG製のパネルを使っているが、映像処理エンジンは各社が独自開発している。ここがメーカーの腕の見せどころになる。

 実は日本のデジタル放送は、世界的には古い世代の圧縮規格が用いられている。規格によってノイズの出方は異なり、日本市場を熟知してノウハウをため込んできた日本メーカーはその高画質化でしのぎを削ってきた。今回は、出そろった国内3社の売れ筋有機EL55型テレビを徹底比較。4Kの映画と地デジ番組をそれぞれAV評論家の折原氏と視聴して画質や音質をチェックした。高級機で標準搭載になっている録画機能の使い勝手も併せて見た。

総合力で東芝「REGZA X910」

REGZA 55X910(正面)
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REGZA 55X910(側面)
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REGZA 55X910(東芝映像ソリューション)
実勢価格38万2800円(税込み)
4K画質:○/地デジ画質:◎/音質:△/録画機能:◎


 総合力に秀でていたのが、東芝映像ソリューションの「REGZA X910」だ。地デジをアップコンバートした画質で他モデルを圧倒。テロップなどに発生しやすいノイズを目立たなく処理しながらも、「4Kコンテンツのようなくっきりとした精細感のある絵を再現できていた」(折原氏)。4K映画の画質はソニーやパナソニックに譲ったものの、「有機ELらしい黒表現は十分に堪能できる」(折原氏)。

 他モデルとほぼ同価格帯ながら、最大6チャンネルを同時録画できる「全録レコーダー機能」を搭載するコスパの高さも魅力。隙のない一台といえるだろう。同社は、中国ハイセンスグループの傘下に入るが、社名の変更はなくテレビの開発や修理などは継続する。