2017年1月5日に発表されたカシオの新しいスマートウォッチ「WSD-F20」。前モデルWSD-F10の「アウトドア」というコンセプトを継承しつつ、新たにGPS機能とオフライン地図に対応。さらに「PRO TREK(プロトレック)」の新シリーズ「PRO TREK Smart」に位置付けられたことも大きな特徴だ。(関連記事は「 カシオの新スマートウォッチはiPhoneで使いやすくなった」)

 スマートウォッチ市場の成長が伸び悩むなか、新モデルはどのようにして開発されたのか。現在の市場に対する思いなどを踏まえつつ、その経緯をカシオ計算機 新規事業開発部の岡田佳代氏に聞いた。

カシオ計算機のスマートアウトドアウォッチ「WSD-F20」。2017年4月21日発売で、価格は5万1000円(税別)。カラーはオレンジとブラックの2色が選べる
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アウトドアシーンでの利便性に着目

 スマートウォッチ市場の現状に「停滞感を感じる」という世間の声は少なくない。「市場に可能性はある」と信じている岡田氏は、その現状に強く危機感を抱いているそうだ。

 しかし、ウェアラブルデバイス全体を見ると、健康に特化したフィットネスデバイス市場は成長している。そこで岡田氏は、「フィットネス以外でも、明確な用途が提案できれば普及するジャンルがあるのではないか」と考えた。それを「アウトドア」ジャンルで実現しようと開発されたのがWSD-F20だ。

 以前の記事でお伝えした通り、WSD-F20はアウトドアに特化した前モデル「WSD-F10」の後継機種にあたる。WSD-F10の特徴であるアウトドア向けの機能性や堅牢ボディー、2層液晶ディスプレーなどを継承しつつ、新機能として低消費電力のGPS機能やオフライン利用が可能なカラー地図などが追加された。

 さらに「PRO TREK Smart」として、カシオのアウトドアウォッチ「PRO TREK(プロトレック)」の新シリーズに組み込まれたのも注目ポイントとなる。

カシオ計算機 新規事業開発部 岡田佳代氏
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 ちなみに、WSD-F20の開発がスタートしたのは2016年3月。WSD-F10の発売日が2016年3月25日だったことを踏まえると、新モデルの開発は前モデルの発売前にスタートしていたことが分かる。

 岡田氏によれば、この流れについては、米国・ラスベガスで開催された2016年1月の家電展示会「CES」やその後のWSD-F10の評判が大きな追い風になったそうだ。しかし、WSD-F10のフィードバックがまったくない状態で新モデルの開発を進めるのは「なかなか難しかった」と苦笑する。