よりカシオらしいデザインに

 デザイン面では、ベゼルやボタンガードの追加、ボタンのサイズ変更などが変化のポイントだ。WSD-F10と比較して、よりカシオらしい時計デザインに落とし込まれたと感じる。

 デザイン的なリニューアルについては、やはりPRO TREKシリーズになったことが大きな要因のようだ。PRO TREKのブランドを冠することで、「よりアウトドアギアらしさを前面に打ち出した」と岡田氏は語る。

新モデルのWSD-F20(左)と前モデルのWSD-F10(右)。ベゼルやボタンガード以外にも、ネジのサイズやオレンジカラーの色合いなども変更していることが分かる。カジュアルな趣のあるWSD-F10が、WSD-F20ではシャープに洗練された印象だ
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 そもそも、PRO TREKの開発者とは「WSD-F10の開発当時からアドバイスをもらっていた」(岡田氏)。例えば、トレッキング用の地図アプリ「YAMAP」をWSD-F10に対応させたのも、登山に関するノウハウに長けたPRO TREKチームの助言がきっかけ。「登山愛好家の間では評判のアプリだから、YAMAPと何か相談してみてはどうか?」とのアドバイスを受け、採用に至ったそうだ。

 そういった経緯を踏まえると、WSD-F20がPRO TREK SmartとしてPRO TREKシリーズに組み込まれたのは、ある意味、正統な進化といえるかもしれない。カシオとしても、PRO TREKシリーズにすることで「WSD-F20のアウトドアイメージを、より分かりやすくユーザーに伝えられる」(岡田氏)と考えている。

腕で地図を見ることが当たり前に

 GPS機能とともに今回追加されたオフライン地図も、WSD-F20の開発当初から対応を検討してきたという。なぜなら、地図はWSD-F10において非常に利便性の高い機能だったが、アウトドアでは「電波が通じない」「手元にスマホがない」などの理由で利用できないシーンがあったからだ。

 岡田氏自身、オフライン地図の必要性を実際に山へ登った際に実感していた。そのような経験もあったからこそ、WSD-F20ではGPS機能とオフライン地図を連携させて「地図」の利便性をさらに高めている。この点については、岡田氏も「手ごたえを感じている」そうだ。

地図機能では、現在位置を確認できる(左)のはもちろん、地図に軌跡やマーカー、メモなどを残せるアプリ「Location Memory」(右)にも対応する。あらゆるアウトドアシーンでの活用を目指した、開発者一押しの機能だ
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 ちなみに岡田氏は、腕時計で時刻を見るように「腕で地図を見ることが、将来的には当たり前になるのではないか」と見込んでいる。近年はスマホで地図を確認することが当たり前になっていることに加えて、現在地の情報は「時刻と同じくらい普遍的に確認したいと思う情報なのではないか」(岡田氏)と考えるからだ。

 確かに今は、地図を見ることが身近な行動になっている。そういった時代の流れを踏まえると、スマートウォッチにおける地図の利便性をさらに高めていくことは、カシオが市場をけん引する切り口になっていくのかもしれない。

(文/近藤 寿成=スプール)