GPSチップが劇的に進化

 WSD-F20の進化を見ていくと、ハードウエア面での大きな進化といえるのがGPS機能の追加だ。

 岡田氏によれば、GPS機能は「WSD-F10のときにも検討したことがあった」とのこと。とはいえ、WSD-F10の開発当時は「GPSチップの消費電力がかなり大きく、アウトドア利用ではスマホと連動した方が合理的と判断した」(岡田氏)という経緯がある。

 しかし昨年、GPSチップの進化が起こり、消費電力が劇的に改善された。これによりGPSの内蔵が改めて検討され、晴れてWSD-F20で搭載することに決まったというわけだ。WSD-F10のGPS非搭載を残念に思うユーザーは少なからずいたこともあり、岡田氏としても「前向きに取り組んできた」と話す。

オリジナルウォッチフェイスへ新たに追加された「ロケーション」は、位置情報と現在位置を表示。GPS機能を象徴するデザインになっている
[画像のクリックで拡大表示]

iPhoneでも快適に使える

 WSD-F10ユーザーからは「iPhoneにおける機能制限」にも意見が多く寄せられたそうだ。日本に限らず新しい物好きの人はiPhoneユーザーの比率が高いため、「WSD-F10は気になるけれど、iPhoneだから手が出しにくい」という声が多かったという。

 iPhoneでの利用に制約が出てしまっていたのは、WSD-F10がOSにAndroid Wearを採用していたからに他ならない。そもそも、iPhoneではAndroid 用アプリをダウンロードできないため、必然的にWSD-F10にアプリが追加できなくなる。そのため、どうしても利用できない機能やアプリが出てしまったのだ。

 しかし今回、WSD-F20では、2016年6月に発表された新OSのAndroid Wear 2.0を採用。Android Wear 2.0ではスマホを介することなくスマートウォッチ単体でアプリをダウンロードできるため、iPhoneユーザーであってもAndroid Wear用アプリがダウンロードできる。これにより、WSD-F20単体で利用できるアプリであれば、iPhoneユーザーでも、基本的には機能制限はない。

Android Wear 2.0では、スマートウォッチでも「Playストア」を表示。スマホがなくても、Wi-Fiでネットにつながっていればアプリをダウンロードできる
[画像のクリックで拡大表示]

 岡田氏によれば、iPhone への対応はWSD-F10の開発時からの大きな課題だったそうだ。しかし、OSが起因する問題だけに「なかば諦めていたところはあった」という。それが、スタンドアローンを目指したスマートウォッチOSの進化でほぼ解決につながったというのは興味深い。

 GPS機能にしろiPhoneへの対応にしろ、絶妙なタイミングでの技術進化が、WSD-F20の開発をうまく後押ししたといえる。