短い動画にもストーリーが必要。SNSでの反応を見てブラッシュアップしていく

 ドローンによるワンカットの動画は、自治体のプロモーションに最適だというだけではない。趣味でドローンの撮影を楽しむ人にも、動画撮影の入り口として最適だという。

 「ドローンで撮った映像を編集したといっても、空から俯瞰した映像をただつなげただけ……というものが多いように思います。確かに、ドローンを飛ばせば今まで見たことない視点の映像が撮れますから、それをつなげるだけでもそれなりのインパクトがある作品にはなります。でも、ドローンによる空撮映像がちまたにあふれてきているなか、それでは多くの人に興味を持って見てもらうことはできません。“ストーリー”が必要になるんです」。

 このストーリーこそが映像作品を作るうえで重要であり、それを考えるのが難しいと田口さんは語る。映画をはじめ、あらゆる映像作品には必ずストーリーが存在するが、それをワンカットの中で起承転結を付けるように心がけながら撮影していると、いずれカットを重ねた長い作品を作るときにも役に立ってくるという。

 「ワンカットは動画のいちばん短い単位です。漫画で例えれば“4コマ漫画”。4コマの中にも起承転結があり、それがベースになって長編漫画になっていくわけです。ワンカット動画のなかで起承転結を付けられるようになれば、次は数秒のカットをつなげていく動画で起承転結を組み立てればよい。数秒であれば、ドローンで撮影するのにもそんなに難しい技術はいりませんから」

 ワンカットの空撮動画がSNSとの相性がよいのは、先に紹介したとおり。短い動画は、どんどん流れていくタイムラインでも見てもらいやすいうえ、Facebookであれば「いいね!」を付けてもらったりコメントを書いてもらうなど、見た人からの評価がすぐに分かる。作り手と受け手のコミュニケーションにより、自分の作品をより良いものにしていけるわけだ。

 「動画をSNSで公開したあと、周囲からの反応を見て内容を分析するのも大事なことです。見た人の反応の多さや少なさから、どこが良かったか悪かったかということの仮説を立て、それに基づいて動画を撮り直して再びSNSにアップして反応を見る。その繰り返しで、自分の映像をブラッシュアップしていくんです」

ワンカット動画の一方で、パイロット+カメラマンという2オペレーター態勢の本格的な撮影もこなす田口さん。2017年夏には、神奈川県鎌倉市の花火大会を海の上空から撮影した
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