西友は今夏に楽天と共同でネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」を始める。西友の親会社である米ウォルマート・ストアーズは2018年1月26日に、楽天との提携を発表。その一環として、国内ではネットスーパー事業を共同運営する。

楽天の三木谷浩史会長兼社長(左)とウォルマートのダグ・マクミロン社長
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 楽天西友ネットスーパーの運営に当たり、西友と楽天は共同出資会社の設立を合意した。西友は2013年からディー・エヌ・エー(DeNA)と共同で、ネットスーパーを含むEC(電子商取引)サイト「SEIYUドットコム」を運営してきた。今後、SEIYUドットコムは楽天西友ネットスーパーに完全移行するほか、楽天が独自で展開していたネットスーパー「楽天マート」も統合する。それに伴い「DeNAとの提携は白紙になる」(西友)。

 SEIYUドットコムの運営を開始した当初、DeNAがECサイト「DeNAショッピング」などで培ったECのノウハウを生かしたサイト構築を手掛けるという触れ込みで開始。DeNAショッピングと会員IDを共通化するなど、既存のDeNAのサービスとの併用を促してきた。だが、DeNAは2016年にDeNAショッピングをKDDIに譲渡。会員連携の仕組みは使えなくなり、西友側は連携するメリットが薄れていた。そこで、国内に9300万人の会員を持つ強力な会員基盤と、ECモール「楽天市場」を中心とした膨大な購買データを基にしたレコメンデーション技術などを持つ楽天との提携への鞍替えを決めたようだ。

DeNAとの共同事業「SEIYUドットコム」は、「楽天西友ネットスーパー」に移行する
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 西友の上垣内猛最高経営責任者(CEO)は「共働き世帯が増えて家事の時間短縮ニーズが高まる中、半調理品などの新たなニーズも生まれている。一方、生鮮食品のEC化率は2~3%にとどまっている。9300万人の会員基盤を持つ楽天と協業することで、生鮮食品のネット販売を大きく成長させられると考えている」と期待を口にする。

西友の上垣内猛最高経営責任者(CEO)は「楽天の会員スケールと技術とスピードに期待している」と説明する
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 楽天西友ネットスーパーの運営における役割分担は、楽天がウェブサイトの構築や会員基盤を生かした集客を担い、西友が商品調達や配送を担当する。取り扱う商品は現在、西友で販売する約1万5000品に、楽天市場で人気の商品などを加える。将来的には「共同商品の開発にも取り組んでいきたい」(ウォルマートのダグ・マクミロン社長)と意気込む。

 これまでのネットスーパー事業は西友の店舗から商品を配送していたため、配送エリアに制限があった。西友は今後、ネットスーパー専用の配送センターを設置して全国への配送に対応する。

 また、楽天西友ネットスーパーでは楽天のポイントプログラム「楽天スーパーポイント」を導入する。西友のネットスーパーでの買い物でも楽天スーパーポイントをためたり、使ったりできるようになる。ただし、店舗へのポイント導入は先送りとなる。「利用者の利便性を鑑みながら、導入を検討していく」(西友)方針だ。

 発表会では楽天の電子書籍事業「楽天 kobo」の電子書籍リーダーや電子書籍を、ウォルマートが米国では独占販売することも併せて発表された。2018年中にウォルマートの店舗やECサイトで端末の販売を始めるほか、約600万作品の電子書籍などのコンテンツをウォルマートの顧客向けに販売を始める。

(文/中村 勇介=M5メディア編集)