先日掲載した「本誌執筆陣が試用して決定! 2016年ベストデジカメ【前編】」で吉村カメラマンが1位に選んだのが、富士フイルムのミラーレス一眼「FUJIFILM X-T2」だ。価格.comのデジタル一眼カメラの注目ランキングでは4位と、ボディー単体モデルの実売価格が17万円前後の高価格帯モデルながら高い人気を獲得している。新色「グラファイトシルバーエディション」を2月下旬に追加することが発表され、再び注目が高まっている。

 自身で旧モデル「FUJIFILM X-T1」を購入して使ってきた吉村カメラマンは、「X-T1とX-T2は見た目こそほとんど同じだが、操作性や速写性能、ファインダー性能などはまったくの別物に進化した。X-T1ユーザーが感じていた不満を一掃しており、買い替えに値する」と高く評価する。そこで、富士フイルムのミラーレス一眼の主軸を担うX-T2の進化ぶりや実力を改めてチェックしていきたい。

吉村カメラマンが2016年のベストデジカメ1位に挙げた、富士フイルムの高性能ミラーレス一眼「FUJIFILM X-T2」(右)。旧モデル「FUJIFILM X-T1」(左)とそっくりな外観とは対照的に、別物に進化したという撮影性能や操作性、画質をチェックしてもらった。実売価格はボディー単体モデルが17万円前後、18-55mmレンズキットが20万8000円前後
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防塵防滴構造を維持しながら操作性を向上

 富士フイルムのミラーレス一眼「FUJIFILM X」は、2012年に登場した「FUJIFILM X-Pro1」が初号機となる。ライカ型のボディーに光学ファインダーと電子ビューファインダーの2つを切り替えて使えるハイブリッドマルチビューファインダーを搭載した個性的な仕様が話題を呼んだ。現在は、ファインダーを中心にさまざまな改良を加えた後継モデル「FUJIFILM X-Pro2」が、写真家や趣味でスナップ写真を楽しむアマチュアユーザーから支持されている。

スナップ撮影やポートレート撮影向きのX-Pro2(右)に対し、X-T2(左)はスポーツ競技など素早く動く被写体を的確にとらえる撮影に向けたカメラと位置づけている
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 だが、Xシリーズの人気に火がついたのは、レンズマウントの真上に電子ビューファインダーを搭載して一眼レフ風のスタイルを採用した「FUJIFILM X-T1」が2014年2月に登場してからといえる。像面位相差AFセンサーを搭載して連写やオートフォーカスの性能を一眼レフ並みに磨き上げ、速写性能を高めた点が評価されたが、ユーザーからはいくつか不満点も指摘されていた。撮影性能や操作性を大きく改良し、X-Pro2と並ぶフラッグシップ機として一新したのがX-T2だ。

 X-T2のボディーは、見分けがつきにくいほどX-T1とそっくり。サイズはひとまわりほど大きくなっているが、より握りやすさが増した印象で不満はない。各ボタン類の配置や数もほぼ同じで基本的な操作性も継承されており、X-T1のユーザーはX-T2に持ち替えても迷うところはないだろう。

X-T2(左)とX-T1(右)。デザインの変化は最小限で、パッと見ただけでは新旧をズバリ言い当てるのは難しい
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液晶の右にあるフォーカスレバーの新設やアイカップの形状変更など、前から見るよりは違いが多い。X-T2は、本体サイズがわずかながらボリュームアップしたことも見て取れる
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 もちろん、細かな部分がしっかりと改良されている。両肩に装備された3つのダイヤルは、どれも高さが増したおかげで指がかりが良くなり、確実に回せるようになった。さらに、ISO感度ダイヤルとシャッター速度ダイヤルは、ダイヤル中央のロックボタンの仕様が変わっている。これまでは、ロックボタンを押している間だけロックが解除される仕組みだった。それが、X-T2では押すとロック解除、もう一度押すとロックされる循環式になった。2台を併用するとちょっと戸惑うが、いつでもすぐ設定を変えたい人がフリー状態を維持できるようになったのはありがたい。

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X-T2(左)とX-T1(右)の軍艦部をチェック。ダイヤルの数や配置は変わらないものの、高さや大きさが細かく手直しされ、ダイヤル中央のロックボタンは押すごとにロックと解除が切り替わるタイプとなった。前後にある電子ダイヤルは、新たにプッシュの操作が追加された

 また、前後の電子ダイヤルはともにプッシュ機能付きになり、プッシュして拡大、回して拡大率変更、といった具合にスピーディーな操作が可能になった。実は、下位モデルの「X-T10」ではプッシュ機能がすでに装備されていたが、防塵防滴設計のX-T1では実装が難しいとされていた。だが、高い防塵防滴性能はそのままにX-T2で採用されたことは評価したい。

 操作性の向上に大きく貢献すると感じたのが、ジョイスティック型の「フォーカスレバー」の新設だ。これまで、AFの測距ポイント指定は4方向の「セレクターボタン」を使っていたが、ジョイスティック型になることでよりスピーディーに指定可能になった。プッシュ操作でいつでも基準位置に戻せるし、8方向への移動となったのでより直感的だ。